龍のほこら 119115番キリリク 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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おはようございます!
物凄く遅くなって申し訳ないのですが、漸くキリバンを書き上げましたので投稿します。
経験したことがないのを妄想で書く、というのがかなり難しくリクエストにお応え出来ていない気しかしませんがorz
私には海外旅行の経験も、パスポートすら取得しておりませんでして今回の内容が精一杯となります。
もうお忘れになっているかもしれない……と不義理すぎて土下座の勢いですが、宜しければお持ちくださいませ。

なお、小説に記載の内容はネットで拾い上げて現実にも存在する物ですが、その内容は限りなくこじつけと想像の産物ですので予めご了承ください。

キリバン
119115

取得者様
晶様

リクエスト内容
堂郁で、海外任務または海外旅行。 出来れば恋人期

と、言うわけでよろしければ「本編スタート」よりご覧くださいませ。

※ お持ち帰りについては、晶様のみ可能となります。
お持ち帰りは、本文をコピーをしてメモ帳に貼り付けて名前を付けて保存してくださいませ。
このページへのリンクだと、本文が突然消える可能性もありますので。
また別に公開される場合は私が書いたものであることを明記お願いいたします。

それでは、本編をご覧ください。



拍手[22回]



郁は目の前に広がる光景に僅かに目を見開き、ぽかりと口を開けていた。
今、郁は堂上と二人で海外のとある小さな町へと来ていた。亡命作戦に協力してくれた国から図書隊へ招待があったのがきっかけで、玄田により郁と堂上が派遣された。
あまり長期間は離れられない身ではあったが、海外の図書館の管理方法なども取り入れることが出来ないかという考えからだった。
そうして送りだされた郁と堂上は、国が誇る図書館や大学が保有する図書館を見る傍らで観光と称してその町へと立ち寄ったのだ。

「これは、すごいな……」
「ほんとに……日本では絶対に見れない景色、ですよね」
「そうだな」

ほろり、と零れた堂上の呟きに漸くほんの少しだけ現実に戻って来た郁が頷く。
二人の目の前に広がっている光景は、その町では当たり前の光景だった。歩道の片隅にまるで鳥の巣箱を大きくしたような屋根がついた箱があり、その中には子供用の絵本から始まり、果ては辞書まで種々様々な本が詰め込まれていた。
そうして、そこに詰め込まれた本は町の人たちが不要になったものを集め、見たい人が見れる様にと工夫されたものだった。
今の日本では考えられない光景に、感動すら覚えそっと近づく。周囲には地元の人間も居て、観光客が珍しいのか郁たちを見ているが止める者はいない。
近づいたその小屋に手を伸ばし差し込まれている本を一冊手に取る。ぱらぱらとめくると、それは日本でもお馴染みの絵本ではあったが検閲対象となり図書館以外では見なくなった本だった。

「……っ」

こんなにも簡単に手に取り、読むことが出来る。その事実に郁がくっと息を詰めると、横に立っていた堂上がぽんっと頭に手を乗せて髪を梳く様に撫でていく。
ゆるゆると何度も繰り返されるそれに、郁の高ぶった心がゆっくりと落ち着いていき深く息を吐く。

「いつか、こういうのがある環境になると良いな」
「はい……」

手にした本をそっと棚に戻そうとした郁の足元で、小さな女の子が手を伸ばしてきた。持っていた絵本を読みたいらしいと気付き、郁はしゃがみ込むとはいっと笑顔で絵本を差し出す。
女の子は驚いてビクリと身体を跳ねさせたが、郁の笑顔に警戒を解くと嬉しそうに本を受け取る。それから絵本と郁を見比べて人懐っこい笑みを浮かべ、手に持った絵本を郁に差し出してくる。

「え?」
「Read this book!」

ぐいぐいと絵本を押し出しながら、女の子が叫んだ言葉に目を瞬かせながら堂上を見上げた郁はこっくりと頷かれて絵本を受け取る。
特殊部隊以外にあまり知られていないが、郁は陸上の縁で英語に関しては日常生活に困らないだけの読み書きが出来る上に、発音も綺麗である。
これは、高校や大学時代に留学していた同級生との友人関係から、お互いに語学を教え合い習得したためだ。今でも文通をしていたりするらしく、座学の成績が成績だけに柴崎が初めてエアメールを見た時には酷く驚かれた事実である。
郁は受け取った本を手に近くのベンチに腰を掛けると隣に女の子が座り込む。周囲で見ていた子供たちが何事かと見ている中、本を開くとゆっくりと絵本を読みだした。
堂上は女の子とは反対の郁の横に座り、滅多に聞かない郁の英語での読み聞かせに耳を傾ける。

「And princess lived happily and Prince.」
「Wow, it is better than mom! Read it again!」

読み終わると、途中から聞いていたらしい別の女の子がもう一度最初からとせがむ。隣に座っていた女の子は満足そうにお礼を言ってくれて、郁の周りはいつの間にか子供たちが集まり俄かに読み聞かせ会の様相を呈していた。
何人かの子供たちが絵本をそれぞれ持ってくるのを、郁は怒ることもなく順に読み続けていくと気付けば大人たちも集まっていた。
何冊か終わって読んでコールが止まった頃、どこからともなく拍手が沸き起こり郁は凄い! と感激する一団に次々とハグされたり握手されたりしていた。

「きょ、教官っ!」
「郁?!」

助けてっ! と余りの激しさに悲鳴を上げた郁を、堂上はいち早く一段の中から引っ張り出し抱き寄せた。その様子に周囲はどっと笑いが広がり、温かな空気が広がった。
堂上は再度囲まれて困惑しながらも会話に応じている郁を見て、その周囲の空気が温かく穏やかなモノであることに目を細め口角を上げる。
いつでも、郁の周りには温かな空気が広がっていく。郁の人柄なのだろう、と堂上は思っているが当の本人は自分が周囲にどんな影響を与えているかなど気にも留めていない。
何かを話していた郁が、堂上を振り返りはじけるような笑顔を見せた。

「教官! この先に美味しいご飯があるお店があるんですって! 行きましょう!」
「ああ」

郁の楽しげな声に堂上が頷くとふくよかな身体をした女性にハグされて、擽ったそうにしながらお礼を言ってから駆け寄ってきて飛び付いてきた。
いきなりのことに驚き、一、二歩後ろへとたたらを踏んだが郁の身体を抱き留めた堂上は、その珍しい行動に驚きながらも相好を崩す。
一度ぎゅっときつく抱きしめてから身体を離すと、えへへ、とはにかむ郁の顔が目に入り自然と頭に手を置いて撫でていた。
二度、三度と撫でてから郁の手を掬うように持ち上げ、指を絡めてベンチから荷物を持ち上げると歩き出す。

「で、その店どこだ?」
「ここから十五分くらいですって! この道真っ直ぐ、簡単よって教えてくれました」
「へぇ……何が食べれるんだ?」
「ハンバーガーとかだって言ってましたけど、他にも色々あるらしいですよ?」
「そうか」

何を食べようかと考え始める郁に相槌を打ちながら、堂上はチラリと背後を振り返る。
今の堂上たちが住む日本ではありえない現実に、けれどいつかそれも出来るようになるかもしれない可能性を切り開いた隣の恋人に想いを馳せ、前を向くと郁と共にお店を目指した。
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