龍のほこら I kiss a chest 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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こんばんは!の時間になりましたね!!
お知らせを先に落としていたのですが、何とか本日中に書きあがりましたので久しぶりにキスの格言シリーズを公開です。

本日は手柴となりました。
少し毛色が変わったお話かもしれませんが、よろしければ「本編スタート」よりご覧くださいませ。

時期:内乱の9月
CP:手柴
格言:胸(所有)



拍手[21回]





「今日は飲むわよ~!」
「・・・・お前はそういう奴だよな。」

時計を質に入れて、換金されたお金を手に張り切った柴崎とそれを見て苦笑する手塚は連れ立って少しお高めな居酒屋を訪れていた。
半個室の様な席でテーブルにはお洒落で味も上品なおつまみや食事系のお皿が何品か並び、2人の手にはガラスのお猪口に互いが注ぎ合ったお酒が満たされている。

「んー・・・・手塚のブラコン卒業に乾杯?」
「なんだよ、それ。」
「いいじゃない、あ、でもブラコンは卒業出来なさそうよね?」
「ほっとけ!!」

お猪口を掲げて口元に人差し指を当てて考えるしぐさをした柴崎の言葉に、拗ねたような表情で言葉を返した手塚だったが僅かばかり掲げられたお猪口が上がれば答えるようにお猪口をぶつける。
カチン、と軽い音が響くと柴崎はお猪口に口を突けておいしそうに中身を飲みほした。
手塚はそんな柴崎の様子に呆れた様な、でもどこかホッとしたような複雑な表情を浮かべながら同じように酒を口にする。
辛口の口当たりは良いがさっぱりとしたソレに2人の飲むペースはやや早めだが、どちらも強い部類に入るゆえに時折つまみや雑談を挟みながら良い酒に酔いしれる。

「でも、あんたのお兄さんまだあきらめてなさそうよねぇ・・・。」
「あ?何をだよ。」
「あんたのことよ。」
「・・・・・諦めてなくても、俺はもう靡かん。」
「ふーん?」

宴もたけなわとなるころ、ほろ酔いに入り始めた柴崎がふっとどこかを見ながらポツリと呟くのを聞きとめて手塚が問いかける。
問いかけられた柴崎は宙に向けていた視線を手塚に向けて、何かを探るようにじっと見てから問いの答えを返す。
その返事に手塚は尊敬する上官の片方の様にぐっと眉間に皺を寄せてお猪口へ視線を落とし睨みつけながら答えを返す。
もう揺れない、そう決めた、とでも言いたげな返事に柴崎の返事は気のない相槌だった。
柴崎の内心ではどう解釈されているのか、手塚には解らなかったがそれ以上追及されないなら良しとまた酒を口にする。
手塚が酒を注ぎたそうと銚子を持ち上げると中身は空だった。
テーブルを見渡すと追加で頼んでいた料理も全て出そろいあらかた食べ終わっていた。

「おい、そろそろ帰るか?」
「ん~・・・そうね、とっても良い気分だしこのまま帰れたら最高よね。」
「じゃあ、会計してくる。」
「はいはい。」

銚子にほんの少しだけ残っていたお酒をお猪口に移しながら、手塚の言葉に軽い返事を返して手を振った柴崎は会計をしにレジへ向かう手塚の背中をぼんやりと眺める。
その脳裏に思い出されるのは飲み会で潰れる度に上官である堂上の背に背負われて部屋に戻ってくる同室の郁の姿。

「私も、あんな風に手を出さずに寮に連れ帰ってくれるような男が居るのかしら・・・ね?」

初めて堂上が郁を連れ帰ってきてから、何度となく見る風景は近頃では当たり前の行事と化していて女子寮の中でも誰も何も思わない。
いや、堂上にひそかに心寄せている女子隊員にしてみれば見たくないものではあるかもしれないがそれすらも上官と部下であると思わせる空気しか見せていないのか特に郁がやっかみを受けることはなかった。
それは郁と堂上、二人共の人徳のなせる業だと柴崎は思っている。
そして自分の過去を振り返るにつけ、そんな風に全く下心を見せずに送ってくれた男など一人もいなかったな・・・と思う。
お猪口を持ち上げて、そこに残った酒をぺろりと舐めて柴崎はふっと現在(いま)に立ち戻る。

「そういえば、男と2人で飲みに来るなんて図書隊入ってからは初めてね。」

飲み会は誘われる。別の任務の都合もあり人脈を広げるためだったり噂話を集めるために定期的にそれに参加し、数多の人間と対峙してその内を探る。
その飲み会は気疲れするものばかりで今日の様に機嫌よく飲めたことなど1度もなかった。
部屋で郁を相手に時々チューハイを口にすることはあって、その時は郁の無自覚な、けれど野生の勘とも思わせるその絶妙な距離感が心地よく初めて一緒に飲んだ時は同性とお酒を飲むのが楽しいとはこういうことかと感じた。
そして今日、飲むためだけに店に入って何の下心もなく心地よい空気の中お酒を楽しめた、相手が男であるにも関わらず・・・だ。
どうして?などと考えるだけ無駄だと柴崎は早々に自分の思考を切って捨てるとお猪口を置いて鞄を手元に引き寄せる。
立ち上がろうとしたのと同時に手塚が通路の方から顔を出した。

「あ、馬鹿!危ないっ!」
「え?」

戻ってきた手塚が柴崎が動いた気配に敏感に反応して顔を上げたのと、まだ戻ってこないと思った手塚が戻ってきて驚いた柴崎がイスに躓くのとはほぼ同時だった。
お酒の入った身体は自覚するほどではなくても軽い酩酊状態にでもあるのか揺らいだ身体を支えることは出来なかった。
ぐらりと傾いだ柴崎の身体を受け止めたのは手塚の大きな胸と逞しい腕だった。

「っ大丈夫か?!」
「え、ええ・・・。驚いたけど大丈夫、ありがと。」
「なら、いい・・・。お前、そんな飲んだか?」
「飲んだつもりはないんだけど、ね。」
「まぁ、いい。支払いしてきたから帰ろう。」
「ん。」

支えられて、きちんと立たされて身体が離れてから安否の確認をされて2人の間をすり抜けた空気が少しだけ寂しいと感じた柴崎だったがそれは気のせいだと無視して会話を続けた。
しかし、やはり酔っているのかいつもよりはずいぶんと素直な返事を返してしまったような気がする。と、一人考えながら促されるままに席を離れるために一歩踏み出す。
狭い通路だ、手塚が先に立って歩いているその背中を追いかけながらふと先ほど転びそうになった時を思い出して柴崎はそっと指先を唇に添えた。
勢い余って倒れた先は手塚の胸元、顔を埋めるような体勢で受け止められてぶつかった気がするのだが身体を起こしてすぐに見た手塚の服には口紅の跡も何もなく気のせいかと思った。
店を出て、扉のすぐ近くで柴崎を待っていた手塚が車道側に立って帰路に着く。
いつも行く店よりは少し遠いけれど歩いて帰れない距離でもなく、酔いを覚ますには丁度良い距離でゆっくりとした歩調で歩く。
なんとなく、気分が良い。隣を歩くこの男は他の男とは違って自分をそういう対象にすることなく真っ直ぐに基地に向かってくれる。
それが寂しいと思う気持ちも何故か僅かばかりあるが、それはきっと酔っているせいだと柴崎は自己判断を下して少しだけ歩調を緩める。
そうするとそれに気付いた手塚の歩調もほんの少しだけ緩まって、合わせてくるのが当たり前のことだと思うのにくすぐったい。

「あんたって学習はするのね。」
「何の話だ。」
「わかんないなら良いわ。」

この男も、いつか誰かを想って身を焦がすのかしら?あの上官の様に??そんな考えが脳裏をかすめて、柴崎は何考えてるのかしらと肩を竦める。
見つめるのは横顔で、さっきぶつかった時に胸元に口紅の跡がつけばよかったのに、胸元へのキスは所有よね。なんて考えが浮かぶのは今日の飲みが気持ちよく始まり、そのまま終わったからだと言い聞かせる。
それでも、ほんの少しだけ誰も見ていない今だけ・・・そう言い訳して手を伸ばす。
しかし、柴崎が触れたのは手塚の袖で、それを掴むことはなく柴崎は緩めた歩調を速めていつもの歩く調子に戻すと寮を目指す。

「おい?」
「なーによ、ちょっと寒くなってきちゃったのよ。もう秋が始まってんのねぇ。」
「・・・・ああ、そうだな。」

慌てて追いかけた手塚は隣に並びながら声を掛けた。
上機嫌で返事を返してくる柴崎に少しだけ首を傾げたが相槌を返すとそのまま寮に戻った。
寮の自室で、機嫌よく戻った柴崎がベッドに沈んだ郁を見つけるのは少し後の話。
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