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龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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こんばんは!の時間になりました、本日も。
覚えていらっしゃる方が居るかどうかわかりませんが、少し前に取らせて頂いたアンケートの件です。

★『RTされたらお題をやる系お題』から続編を希望されるお話はどれですか?

という物で1位を取りました芸能人堂上×一般人郁ちゃんの続編が書きあがりましたので公開させて頂きます。
 『RTされたらお題をやる系お題6』が前話になります。

書いていたら何故か堂上さんがイケイケ押せ押せ!でちょっと偽物チックになっていますがそれでも宜しければ、前話と併せてご覧頂けると嬉しいです。

それでは、「本編スタート」よりご覧くださいませ。

拍手[101回]





アレは夢だったんだろうか、郁は1枚の名刺を眺めながら一人自室で小さなため息を零していた。
少し前の話だ、郁は好きだった男性にこっぴどく振られて家まで我慢できずに裏路地の人が来ないだろう場所に入り込んで一人泣いていた。
悔しくて、哀しくて、けれど解っていたことだと自分に言い聞かせながら止まらない涙を抱え込んだ膝に吸い込ませていた。
どれくらいそうしていたのか感覚もなくなる頃、大通りの方が少しだけ騒がしいなとは思ったが自分には関係ないと思っていた。
そろそろ帰らないと明日に差し支えるだろうかと思っても動くことも嗚咽が止まることもなく、零れるソレをどうにか飲み込もうとしていた時に声を掛けられた。
誰も居ない、そう思っていた場所で掛けられた声は低く耳触りの良い男性のモノで驚いて顔を上げると月光の下でどこか見たことのある男性が心配そうに自分を見ていた。
驚いて、恥ずかしくて、何より怖くてその場を逃げ出そうとした郁だったが長時間蹲り冷えた身体は言うことを聞かずバランスを崩して倒れかけて、軽々と支えてくれたのは自分より少しだけ背の低い男性だった。
抱きしめるように抱え込まれて、支えてくれるためだとは冷静な部分が理解したけれど感情が追い付かなくてつい暴れてしまったのに全く揺るがないがっしりとした体躯がその熱を意識させて郁は余計に暴れてしまった。
結局は腕の中から逃れることは出来ず、そっと覗きこまれた瞳のその夜の闇の様に深い漆黒に囚われてしどろもどろに答えを返すことしか出来なかった。
そして、改めて見た堂上と自分の身長差に気付いたら少し前に言われた言葉を思い出してしまい止める間もなくボロボロと涙が零れだして郁は促されるままに自分を支えた彼の肩に額を寄せて泣いてしまった。

「忙しい・・・ん、だよ・・・ね?」

泣いた後のことは恥ずかしすぎて思い出すには正常ではいられないために無理やりシャットアウトして改めて名刺を見つめる。
女性としての自分を否定し、捨てようとさえ思い始めていたあの時、それをあっさりと救い上げた彼は見たことがあって当たり前の人物だった。
芸能界などに興味のない郁でも見聞きしたことのある、今女性たちに一番人気とされる3人組みのアイドルグループ、そのリーダーとされる人物その人だったのだ。
去り際に渡された名刺には何度見直しても見間違いではないプロダクションの名前と住所、電話番号、それに個人のなのか事務所のものなのかメールアドレスが記載されいている。
必ず連絡するからと言って走り去った彼はあの後無事に帰れたのだろうか?そう思いながらテレビを点けると丁度歌番組で思い返していた人が画面一杯に映ったところだった。

「ぅっわっ?!」

アップで映された顔、その一部分に自然と目がいってしまい脳裏に思い出された出来事が一気に郁の体温を上げる。
あの時の感触を無意識に思い出し、追いかけて郁はテレビの電源を切ってぎゅっと目を瞑るとフルリと頭を1つ振った。
2度と会えるわけがない、連絡のことだってその場ではしようと思ってくれたかもしれないが翌朝にはどうでもよくなっているに違いないと何度も言い聞かせ深呼吸する。
漸く目を開けた所でブブブッと携帯が揺れた。
仕事場から帰ってきてまだマナーモードを解除していなかったと慌てて手に取ると知らない番号、けれど見覚えのある数字にドクリと心臓が跳ねた。
郁は1、2度深呼吸をして待たせてしまっただろう電話口に出た。

「も、もしもし・・・。」
「もしもし、笠原さんの携帯ですか?」
「そう・・・です。あの・・・。」
「堂上です。覚えてますか?」

受話器の向こうから流れた低めの声が、緊張しているのか硬く、あの時よりも他人行儀な言葉遣いで言葉を紡いでいるのを聞いて郁は黙り込む。
自分の名前を確認してきたのだから間違い電話ではないのに他人行儀な言葉遣いがやはりあの時のことが迷惑だったのでは、と思わせて返事を返すのを戸惑ったのだ。

「笠原さん?おい、聞こえてるか?」

迷っている間に焦れたのか、堂上があの時のような口調で声を掛けてきたことに漸くほっとしたような心地になって郁は慌てて返事を返す。

「はい!・・・すみません、その、なんか他人行儀だったからあの夜がご迷惑だったんじゃないかと・・・。」
「そんなことあるか!っと・・・すまん。むしろ、あの時の方が失礼極まりなかっただろう?それで、少し反省したんだ。」

郁がポロリと零してしまった本音に慌てた様に返事を返してくれる堂上に、クスリと笑ってしまった郁はそんなことなかったですと小さな声で呟く。
向こうに聞こえないかもしれないと思ったその呟きはしっかりと聞き取って貰えたようでなら良かったと安堵の色を濃く乗せた声で返されて目の前に居ないのに頬が熱くなって郁は電話を耳に当てたまま俯く。
それを知ってか知らずか堂上は少し間を開けて再び話し出す。

「あー・・・・それで、その、もし笠原さんが嫌じゃなかったらどっか食事とか行かないかと思って。」
「え・・・・えっ?!な、なんでっ?!」
「っ・・・。なんでって・・・・そりゃ・・・。」

郁は、堂上が次を切り出すまでのほんのわずかの間にふと思い浮かんだ疑問に囚われていた。
あの時、本当に名刺交換をする必要があったのか・・・というところだ。
あの晩は通りすがり、お互いに運が悪かったで済ませばまた関係ない生活が待っていたはずで郁がこんなにも名刺を前にヤキモキすることもなかったわけで、一体何の連絡をするために?と首を傾げていた。
そんなところに、少々歯切れ悪くだがご機嫌をうかがうような声音で食事に誘われて一瞬聞き流した後、反芻した内容に郁は声を上げた。
電話の向こうではその声に息を飲んだような反応と、どこか言いづらそうな様子でくぐもった声が理由を言うのを迷うように言葉を途中で途切れさせた。

「あ・・・あの!その、あの時の、き、キスのことっ!!気にされてるんだったら全然、気にしないで構わないですから!!私なんかと逢ったらご迷惑かかっちゃったらその方が・・・。」
「・・・・それは、どういう意味だ・・・。」
「え?あ・・・だって、その、ど、堂上さんはアイドルで、もっときれいで可愛くて優しい女性の方がお似合いで、わ・・・私なんて・・・。」

あの日、あの夜、泣かせてくれて、触れた熱が自分の中にあった傷をあらかた治してくれていてすっかりと失恋の痛手など忘れ去っていた。
翌日に会社で自分を振った相手に会った時でも郁は態度を変えることなく軽い会釈ですれ違うことが出来て、どこか面白そうな顔をしていた様な気がする相手の男など目にも入らなかったと郁は思い出す。
それだけで十分だと思うのに、気を使ってくれたならそれは過剰な気遣いで自分のことなど気にして欲しくないのにと思って告げた言葉は相手の怒りに触れたらしい。
低く告げられた問い掛けにびくりと肩を竦ませて、視線をオロオロと室内に彷徨わせながらなんとか思うことを伝えようと言葉を紡いだがそれは途中で遮られた。

「ふざけるな・・・。あの時言ったはずだ。『君を振った男は馬鹿だな。背なんか関係なく、こんなにも可愛いのに。』と。・・・・俺は、お世辞を言うのは嫌いだし言えない。それが演技なら、カメラが回ってるなら仕事だからやるがプライベートでそんなこと言ったのは君が初めてなんだ。俺のことを嫌悪しないなら遠ざけないでくれ。」
「堂上さん・・・。」
「俺に会うのは嫌か?」
「嫌じゃないです・・・でも・・・。」

怒ったように告げられた言葉は途中から苦しそうな声に変わって、どこか懇願が含まれているようだった。
郁はその言葉がゆっくりと心に浸透していくのを感じて信じても良いのか迷い始めた頃に堂上がダメ押しとばかりに問いかけてきて、それに否定の言葉を返す。
それでも取れない迷いは、最後を言い淀んでしまって郁はどうしたら良いのかと戸惑うばかりだ。

「郁。」
「っ?!ど、堂上さんっ?!」
「郁、頼む。1度で良い、会ってくれ。それでどうしてもダメならもう二度と連絡もしないから。」
「どうして・・・?」
「君だから、郁だから、会いたいと思った・・・ダメか?」
「・・・・ズルい。」
「そうだな。」

郁にとっては居心地の悪い沈黙が降りて数分、それを破ったのは堂上の予想外の言葉だった。
驚いて息を飲み、堂上の名前を叫ぶ郁に追い打ちを掛けるようにさらに言い募られて郁は最終的に根負けし拗ねたように文句を返すしか出来なかった。
しかし、それすら堂上は笑って受け止めてじゃあ・・・と日時を告げて会えるかの最終確認をしてくる。
それに絆されて郁は食事の約束をすると「おやすみ」という声に「おやすみなさい」と返して電話を切った。
出かけた先でなんだかんだと連れまわされて、最終的に口説き落されてしまうのはこの時点で決まりきったことかもしれなかった。
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