龍のほこら RTされたらお題をやる系お題11 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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おはようございます!
ほぼ1週間更新をおサボりしておりました、来て下さった方には申し訳なく。
ちょっと先週末の土曜日から体調的にダウン気味で、さらに仕事が立て込んだものですから・・・。
とは、言い訳にしかなりませんが台風による気圧の影響だったり色々です^^;

皆様のお住まいの辺りでは台風などは大丈夫だったでしょうか?
台風による影響で梅雨前線など発達したのか一部地域では雨による被害もあったのではないかと思いますが・・・。
まだまだ台風の季節は秋ですので幾つも訪れるかと思いますが、お気をつけて備えて下さいませ。
また、梅雨も去ったようで暑くなり始めましたので熱中症などにはお気をつけてお過ごしください。

さて、本日はストックから1本公開です。
またこの週末に向けて創作に時間を当てないといけない状況になっておりますので、更新が頓挫するかもしれませんが見放さずにお付き合い頂けますと幸いです。


※診断の性質上、ほとんどの作品がパラレル設定となっております。

>掲載お題<
◆あなたは2時間以内に4RTされたら 、芸能界パロでいきなり告白されて戸惑う堂上篤×郁の、漫画または小説を書きます。 

よろしければ「お題ネタを見る」よりご覧くださいませ。

拍手[108回]





今、隣には可愛い彼女でありトップアイドルでもある笠原郁が居る。
俺は彼女との出会いを思い出し、そっと肩を抱き寄せて自分の肩に乗せられる小さな頭に頬を寄せた。


あれは忘れもしない10月4日のことだ。
その時までバラエティーなどは一切出たことがなく舞台とドラマ、映画などの俳優業で活動していた。
歌も請われていくつか出したが、どれもドラマの役としての歌で個人としての歌は一本もなかった。
マネージャーは自身の親友でもあり高校時代からの友人でもある小牧で、彼の敏腕ぶりは同時にこの事務所に入ってから信頼しているものでもあった。
小牧自身も俳優を出来るだけの演技力も容姿も持ち合わせていたが、最愛の彼女である毬江ちゃん以外の女に演技でも興味はないと笑顔で言いきったために俺のマネージャーになった。
そしてあの日、小牧がその演技力を全力で使って俺をだまし討ちにして出演させたのがタレント同士の見合い番組だった。

「おい・・・どういうことだ・・・。」
「ん?何が?」
「なんでこういうことになるんだ!」
「それは、相手の女性たちを見てから文句言って。俺としては十分に考慮した結果なんだから。」

控室に入って開口一番、小牧を問い詰めれば悪戯が成功した子供のような表情でさらっと流されてイライラが募る。
しかし、もはや本番まで時間が迫っておりドタキャンは以ての外だと思っているので出るしかなく深く息を吐くととにかく気を落ち着けることを心がける。
何を企んでいるのか判らない小牧を視界に入らない様にしながらスタッフが呼びに来てくれるまで只管自分を落ち着けることに費やした。
そして本番。
俺は並んだ女性たちの中の1人を見た瞬間、小牧がコレを仕組んだ理由に気付き怒りが吹き飛んだ。
小柄な女性が並ぶ中、不安気な様子をひた隠しにして背を伸ばし凛とした姿で立っている柔らかな笑みを浮かべた郁が居た。
番組は普通の見合いと同様に進んでいった、少しだけ違うのは途中でゲームなどが入ったこと。

「8番の笠原郁さんはモデル業を中心に、最近ではその歌声も聞かせて頂くことが増えています。歌は習われていたんですか?」
「いえ、好きで歌っていてゲストで呼んで頂いた番組の打ち上げでカラオケに行ったときにみなさんが気に入って下さったみたいで。」
「そうなんですか!本当に素敵な歌声だと思いますが、今日はいかがですか?」
「ごめんなさい、今日は歌うとは聞いてなかったので練習していなくて・・・。」
「いえいえ、お気になさらないでください!では男性陣の方に移りましょう!!」

途中でそれぞれの宣伝も兼ねているこの番組は、注目されている分野などを司会が紹介し質問などを投げていくコーナーがあった。
郁は褒められればはにかみ、無茶振りをされれば困ったように微笑みながらやんわりと断って一貫して控えめな態度を取っていた。
清楚、清廉そんな言葉が浮かぶ姿に俺は顔が緩むのを必死に抑えて知らぬ顔をしていた。
俺が彼女を知ったのは俳優を始めたばかりの頃、ロケで出た先のことだった。
彼女もモデルの撮影中で公園で指示通りに時折自由に動きながら可愛らしい笑顔を振りまいているのを見かけた。
その笑顔の柔らかさと本心から楽しそうな表情に一瞬で堕ちたと気付いたのは大分経ってからの話だったがその時はただ見つめるだけで満たされる思いだった。
彼女とは縁があるのか、その後何度か彼女がロケをしている現場に居合わせた。
ある日、小柄なモデルの女性が彼女に何か言っているのを見かけただ通りかかっただけだったが思わず身を潜めてしまった。
そして聞こえてきたのは図体がでかいだけで指定されたポーズも出来ない癖にと罵る言葉だった。
俺は、そんな性根の腐ったお前なんぞすぐに業界から滑り落ちるだろうと怒鳴りこみたいのを必死に堪えて彼女が泣くのではないかとそっと覗き込んだ。
彼女は俺の予想に反して凛と背を伸ばし小柄なモデル相手にアドバイスをありがとうと微笑んで礼を言うほどで、小柄なモデルの方が居心地悪げに立ち去っていった。
だが、やはり傷つかないわけがないのだろう一人になった彼女は1筋だけ涙を零し深く呼吸をしてから顔を上げると撮影現場へと戻って行った。

「~番、堂上さんはバラエティには初出演とのこと、どうですか?」
「まさか初めてがこの番組だとは思っていませんでしたので、驚きで一杯です。」
「おや、この番組に出ることは聞かされては?」
「恥ずかしながら、プライベートでは話すのが苦手なのでマネージャーの計らいで控室に入るまで知らされませんでした。」
「そうなんですか!では、今日は頑張ってお話されているということですね。ぜひ素敵な出会いを掴んでいって下さい!」
「さぁ、最後になりました!!告白タイムです!!今日は男性陣から女性陣へ、目当ての人に向けて彼女に似合う花を選んでぜひ告白を!!」

芸能界というところは確かに思うような出会いもなく、また恋愛をしてもそれをひた隠しにするしかない部分がある。
あえてこういう番組を通して付き合い始めれば注目はされるものの衆目にさらされて下手な書き立てはないのかもしれない。
小牧がそこまで考えていたかは判らないが、たぶんあの男なら考えていただろう。
男性陣が次々と花を選び声を掛けていく中で彼女に歩み寄っていく男は1人もおらず俺は内心でほっとする。
俺の番がきて、真っ白なカスミソウがメインでピンクのガーベラがポイントに入っているミニブーケを手にするとまっすぐに彼女へ歩み寄った。

「笠原さん、できれば恋人として付き合ってくれないか?」
「え・・・?」

彼女の目の前に立つと、その大きな瞳をこぼれんばかりに見開いて俺を見つめてきた。
立ち姿は俺よりも5cm程高いがほっそりと華奢なせいで本当に自分より身長が高いのかと疑問に思いながら見つめ返すと、おろおろと周囲を見渡してから顔を紅く染めて俯いた。
そのしぐさの初々しさに可愛いなと微笑めば、周囲からどよめきが上がる。

「あの・・・でも、私、その・・・可愛くも女らしくもなくて・・・。」
「充分だと思うが。」
「でも・・・。」
「俺が嫌か?」
「そんなこと・・・!」

彼女が口を開くと、とたんに静かになり俺と彼女の成り行きを見守るスタジオ内。
女性たちは何やら彼女を睨んでいるようだが俺には関係のないことだ。
主張が激しいことが悪いとは言わないが、がっちりとしたメイクに自分を魅せるための派手な衣装や髪型、おべっかを使う口調はどれも俺の好みではない。
ただ自分らしく素直な彼女だけが俺を惹きつけて止まない。

「なら、返事はいつでも良いからまずは連絡先、交換してほしい。」
「ほんとに・・・私で良いんですか?」
「ああ、笠原さんが良い。」
「・・・・・よろしくお願いします。」

不安そうに瞳を揺らして俺を見て、何度も確認する彼女の自分への自己評価の低さ。
その理由は後々知るようになるのだがこの時は少しでも彼女が自分への自己評価を上げるのに俺が役立てたらと思っていた。
それから友達として遊びに誘い、今日漸く彼女から返事がもらえた。

「あの、堂上さん・・・。」
「篤。」
「う・・・あ、あつし・・・さん。」
「ん?」
「ほんとに私で良いんですか?」

俺に寄り添いながらも、不安そうに見てくる彼女に俺はこれ以上ないほど甘くなった笑みを晒して頷く。
むしろ、彼女以外に自分を絡め捕れる女性など居ないと断言できるのだから、彼女で良いのではなく、彼女が良く、彼女しかいないのだ。

「郁で良いんじゃない。郁が、良いんだ。郁しか俺をこんな風には出来ない。」
「・・・・あぅ。」
「郁こそ俺で良いのか?」
「そ・・・れは・・・・だって、ずっと好きだったから・・・。」
「え?」

彼女より背の低い、口下手で要らんこと言い、ドラマとは違う素の俺で良いのかと問いかければ僅かに戸惑った表情をしてから意を決して俺を見る彼女。
そして聞かされたのは俺が彼女と本当に初めての出会いをしていたのは俺が出会うよりも前だったという事実。
それに気付いていなかったらしい俺に彼女は言う必要はないと思って今まで言わなかったらしい。
一目惚れだと気付いたのはずいぶん経ってからだったらしいが、テレビで俺の姿を見るようになって気付いたと言う。
顔覚えの悪い彼女が唯一たった1度で覚えられたのは俺だけだと言う言葉に言い様のない幸福を感じてぎゅっと抱きしめる。

「いつか・・・。」

一生二人で暮らせるようにしたいと思いながらその先は口にせず、不思議そうに首を傾げる彼女にそっと初めての口づけを送った。
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