龍のほこら 顎を持ち上げて 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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おはようございます!
ご心配おかけした体調はなんとか持ち直して、回復の方向に動いとります。
本日はお仕事予定でしたが上司の計らいによりなくなったので、昨夜ちまちまと書いていたものをアップします。
以前、ツイッターで肩ズン、顎クイの話をしていたのですがそのネタで肩ズンに続いて顎クイ共用ロビーバージョンを書いてみました!

元ネタはYu-Riy様とizumi様の会話と素敵イラストから!
イラストの転載はシチュが微妙に違うのでこちらではしません、悪しからず><

県展後くらいの堂郁で、共用ロビーでの出来事なイメージです。
よろしければ「本編スタート」よりご覧くださいませ。

拍手[58回]





仕事も終わった夕飯後の時間。
入浴を終えたばかりの郁と柴崎が共用ロビーで寛いでいると丁度こちらも入浴から戻ったところらしい堂上、小牧、手塚と行き合った。

「お疲れ様です。珍しいですね、手塚まで一緒に居るなんて」
「ああ、丁度入ろうとしたときに手塚が先に居てな」
「そういう柴崎さんは、笠原さんと一緒じゃないの?」

先に気付いた柴崎が三人に声をかけると堂上から返事が返り、小牧から問いかけられた。
柴崎は小牧からの問いかけに苦笑を浮かべると、笠原ならあそこですよ、とアイスの自販機を指差した。
視線を追って見えたのは、まだ濡れたままの髪をそのままにどのアイスを食べるか真剣に悩んでいる郁の姿。
認めた瞬間、真っ先に動いたのは当然ながら堂上で残された柴崎、手塚、小牧はそれぞれ苦笑やあきれ顔を浮かべながら空いているソファーを確保すべく移動し始める。

「アホか、貴様!」

ゴツン! と、かなり痛そうな鈍い音と共に落とされた怒声にぎゃんっ?! という犬の悲鳴のような声をあげ、うずくまった郁は頭を抱えた状態で声の方を振り返った。
そこには鬼教官が仁王立ちしており、郁を睨み付けていて再びぎゃっ! っと小さな悲鳴をあげる。
堂上は自分の姿を見て慌てて逃げようとする郁の頭にタオルを被せると、わっしと頭を掴んで逃走を阻止しながら隅に移動する。
半ば引きずられる形で移動した郁が痛い、痛いと泣き言を言っているがお前が悪いと取り合わず人気がなくなったところで止まると手近なソファーに座らせて髪を拭き始める。

「うぅ……自分でできますよぅ……」
「煩い、出来ないから濡れてるんだろうが。何度乾かしてから出てこいって言ったら覚えるんだ、お前は」
「いや、だって暑いし」
「暑いしじゃないだろうが」

わしわしと、乱暴にも見える手の動作はそれに反して酷く丁寧で優しく、郁は気持ちよすぎて目を細めて大人しくなる。
暫くかき回した所で手を止めると、タオルを取ろうとした堂上の動きと止まったことではっと気付いて顔をあげようとした郁の動きが重なりタオルの端が一瞬だけ郁の目に入りかけたようだった。

「いっ?!」
「す、すまんっ!」

目の中に入ったわけではないが、擦ればそれなりに痛い物で睫毛でも入ったようにゴロゴロした感覚を覚えて郁は俯く。
堂上も郁の漏らした声と動きで目に入ったかもしれないのが分かり、慌ててタオルを横に置くと郁の傍にかがむ。
遠くで異変に気付いた小牧たちが立ち上がるのが視界に入ったが、怪我をさせていたらと思う堂上はそれどころではなく郁に声をかける。

「おい、大丈夫か?」
「うぅ、なんか、目がゴロゴロしますぅ」
「おい、こら、擦るな。見せろ」
「うひゃ?!」

堂上の声に涙声で返事を返してきた郁が、ゴロゴロする原因を取ろうとする無意識の行動か目を擦ろうとするので、堂上が慌ててその手を掴むと俯いたままの郁の顎に指をかける。
クイッとそのまま持ち上げると座ったままの郁とかがんだ状態の堂上は丁度良い身長差で片や下から、逆は上からお互いの顔を覗き込む。
突然のことに目を見開いた郁は真剣な目で覗き込んでくる堂上をまともに見てしまい、頬が紅くなるのに顎を手放して貰えず口をパクパクと開閉するばかり。
堂上の方はといえば、目の怪我は一大事だと真剣に検分しているようで状況を鑑みる所までは至って折らず端から見れば今にもキスしそうな様子だった。

「ん、大丈夫みたいだな」
「……っ!」

どれくらいの時間検分されていたかはわからないが少しだけ離れた顔に、放して貰えると安堵しかけた郁はするりと目尻を撫でたモノに再び固まる。
堂上は無意識の行動だったらしく郁の様子に気付きもせず、漸く顎から手を離すとかがませていた身体を元に戻す。
丁度、それを見計らったように近づいた小牧が堂上の肩に片腕を引っかけるとにやにやと笑って堂上の耳元に声をかけた。

「キスでもするかと期待してたんだけど?」
「ばっ?!」
「くくっ、そんなことが出来るならとっくにくっついてるか。御愁傷様」
「煩いっ! 先に帰る!」

からかいは当然のように堂上にだけ聞こえる声量ではあったが、小牧のからかいに漸く自分の先程の行動が周りからどう見えるか気付いたらしい。
肩に乗せられた小牧の腕を振り払うと、堂上はソファーに投げたタオルを取ることもせずに真っ直ぐ男子寮へと向かってしまった。

「あ……」

郁は堂上の立ち去る背を見てお礼も言えなかったことに気付き慌てるが、立ち上がる頃には扉の向こうだったので困ったような表情で小牧を見る。
まだ紅い頬の郁はそれだけでも普通の男なら可愛いと思ってしまうような表情で、見られた小牧は苦笑すると両手を顔の横に挙げて郁を見て器用に肩を竦めた。

「ごめん、ちょっとからかいすぎたみたい。笠原さんを怒って行っちゃったわけじゃないから、後でメールしてやってよ」
「い、いえ! わ、私は!」
「どうせお礼も言い忘れてんでしょ? 丁度良いじゃない」
「うっ……」
「ほら、私たちも部屋に戻るわよ!」

小牧の言葉に慌てて弁明しようとした郁を柴崎が遮り、腕を引っ張っていく。
その手にはいつの間にかアイスとジュースがしっかりと握られているので、手塚辺りに買わせたのかもしれない。
当の手塚はと言えば、まるで見てはいけないものを見たかのように虚ろな目をして小牧の近くに立っていた。

「わっ、ちょ、まっ! こ、小牧教官、お先に失礼します!」
「うん、お疲れ様。また明日ね」

お疲れ様でしたぁ、と軽やかな柴崎の声も響き郁と柴崎は女子寮の扉の向こうへと消えた。
小牧はそれを見送ってから堂上のタオルを拾って帰ろうとソファーを見たが、タオルは消えており首を傾げると手塚がボソリと説明を口にする。

「笠原が持っていきました。洗って返すんじゃないですか?」
「なるほど、じゃあ、このままビール買って俺たちも堂上の部屋に行こうか!」
「い、いえ、自分は……!」
「行こうか、ね?」
「……ハイ」

郁が髪を拭かれてタオルを洗って返すのは近頃ではかなり頻繁になってきて小牧も上戸に入るほどではないらしい。
代わりに、先程の光景をネタに手塚を連れて堂上をからかいに行こうとウキウキしながら自販機にお金を入れている。
手塚はそんな小牧を見ながら、出来るなら自室に帰りたいと思いながら落ちてきたビールを取りだし小牧に続くのだった。
もちろん、このやりとりの一部始終はその場にいた他の隊員にも目撃されておりその糖害の酷さに翌日一番の会話のネタになったのはいつもの事である。
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