龍のほこら 夢なら言えるのに(恋人期ver.) 忍者ブログ

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図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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おはようございます!本格的に寒さが忍び寄ってくる季節になりました。
衣替えっていうか冬服をどこに仕舞い込んだのか解らずに部屋がしっちゃかめっちゃかなうの管理人です←

整理整頓、片付け大事、って思いながら遠い目して部屋の惨状を眺めています。

さて、本日は支部より転載の作品になります。
微妙に中身を弄ってはおりますが、内容は変わってませんので既読の方も多いかと^^;

よろしければ「本編スタート」よりご覧くださいませ。

時期:恋人期(ムツゴロウ後の昇進試験前)





隊長である玄田の気分だ! の一言で決行された特殊部隊の飲み会は、いつも通りに過ぎ、頑張って粘ったにも関わらず先輩たちに負けて飲まされ寝落ちた郁が出来上がっていた。
堂上は離れた場所で潰れて突っ伏した郁に気付き潰した先輩隊員を叱り飛ばしながら抱き上げて場所を移動する。
時間を見れば針は間もなく店に来て二時間が経つことを知らせようとしていた。
堂上は小さくため息を吐くと、一次会はもうすぐ終わるだろうと郁に膝枕をしながら飲み、二次会に移動する段になって郁を背負うと他のメンバーとは違う方向へと歩き出す。

今日は堂上班の公休日前日で、小牧も一次会で抜けて実家に帰ると言っていた。
堂上たちもホテルを取っていて外泊する予定だったために郁も寝落ちないように頑張っていたのだが、結果は予想するまでもなく……。
堂上は自分に背負われて熟睡する郁に苦笑する。

「本当に、仕方ない奴だな……」

零れた言葉は、呆れているのに甘く響いて、宙に溶けていく。
折角の外泊で、それでも気分が落ち込まないのは背中に感じる少し高めの体温が心地よく、自分に完全に預けられる身体を、その持ち主を自分の彼女だと胸を張って言える立場になったからだろう。
休み明けにはからかわれるかもしれないが、それでも恋仲になる前と違い堂々としていられるのだ。
堂上は存外幸せそうな表情で郁の為だけに見せる甘い笑みを浮べて、ゆっくりとした歩調で今夜泊まる予定のホテルに向かっていた。

「んっ……」

不意に吹いた風が堂上と郁の頬を撫でて通り過ぎると、寒かったのか郁が身じろぎして小さな声を上げる。
それを聞いて堂上が肩越しに背後を振り返り、視界の端で郁の頭を確認しながら声を掛ける。

「郁、起きたのか? 気分は?」

尋ねたものの、再び聞こえた呼吸は寝ているソレで寝言かと苦笑を浮かべるとまた前を向く。
すると、きゅっと前に投げ出されただけの腕が首に絡み付いてきた。
堂上の首筋に郁の吐息がかかり、ぞわりと背を駆け抜ける何かを堂上は息を詰めてやり過ごした。
そんなところに特大の爆弾を放り込まれ、堂上は思わず足を止めて勢い良く後ろを振り返った。
もちろん、郁を振り落とすようなことはしなかったが、かなりの勢いではあった。

「おっ……まえっ」

寝てる癖に! と叫びたいのを堪え、ギリギリと奥歯を噛み締める。
耳元に掛かる吐息は、本当は起きているのではないかと思いたいくらいに正確に堂上の耳を捉えている。
耳朶の辺りに置かれた唇から郁の、堂上だけが聞くことを許された甘い声が何度も落とされる。
最初はいつも通りだった。

「どうじょう、きょうかん……きょうかん……」

付き合うようになる前から――何時からかは正確に割り出しては居ないが、いつの間にか王子様から自分の名前に変わった甘い呼びかけは足を止めるまでも何度もあった。
問い掛けには答えを返し、告白には同じように想いを返しながらの行き道だったのだ。
しかし、それは不意打ちで落とされた。

「あつ……し、さん」

篤さん、篤さんと繰り返されるのは、起きている時には決して聞くことが出来ない堂上の名前だ。
未だに教官呼びを、しかも外で当たり前のようにされる現状で密かに呼ばれたいと願っている名前。
それを惜しげもなく夢の中で囁く郁は一体どんな夢を見ているのか。

「なんだ?」

何度も繰り返される名に、漸く衝撃から立ち直った堂上が足を動かしつつ返事を返す。
寝言に返事を返すのはあまりよろしくないのだが、それも今更だと開き直って郁の反応を待つ。
熟睡してしまったか? と思い諦めようとした瞬間に返事が返った。

「ゆめ、なら、よべるのに……」

寂しそうにポツリと落とされた呟きに、反射的に何故だと問い掛けたが本格的に寝入ってしまったのか郁から返事が返ってくることはなかった。
ホテルに辿り着いた堂上は郁をベッドに寝かしつけ、シャワーを浴びると隣にもぐりこんで抱き締める。
寝たままでも気配で解るのか擦り寄ってくる郁を愛しく思いながらも、今日初めて呼ばれた名を、声を思い出す。

「お前は……。普段でもプライベートではそう呼べ。遠慮なんてするな」

胸に抱きこんだ頭を優しく撫でながら、先ほどは言えなかった言葉を落とせばむにゅむにゅと郁の口が動く。
何かを言っているような様子に耳を近づけるも、言葉にはなりえない音の繋がりで、目を覚ます様子もない。
仕方なく小さな諦めのため息を落とすと、堂上はもう一度しっかりと郁を抱きなおし目を閉じる。
おやすみと呟くと、その夜はそのまま眠りへと落ちていった。

翌朝、目を覚ました郁は案の定、寝言も何も覚えていなかった。
堂上が遠まわしに名前を呼ばせようとしたが不発に終わるのも、悔し紛れにチェックアウトの時間を延長して郁を美味しく頂いたためにデートも出来なくなり、拗ねさせて機嫌を直すのに苦労するのも、何時通りの公休日の光景だった。

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