龍のほこら RTされたらお題をやる系お題7 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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こんにちは!
先月末から数日、ちょっと息切れで更新をさぼりがちになってました、龍春です。
遅くなりましたが5月31日までのアンケートへのご協力ありがとうございました!

結果は以下の通りとなりました!

全投票数:147票

1位 RTお題6:俳優と一般人の堂郁 69票
2位 RTお題5:高校生でお見合いの堂郁 47票
3位 RTお題3:兵士×捕虜の郁堂   13票
4位 RTお題3:兵士×捕虜の堂郁   10票
5位 RTお題2:悪魔×天使の堂郁    8票

以上の結果となりました。
1、2位が他3つに圧倒的な差をつけていましたので、上位2つの続編を書かせて頂きますね。
いつ公開するかなどはまだ未定ですので、のんびりとお待ちくださいませ。


さて、少し長くなりましたが本日は久しぶりにRTお題の方を公開したいと思います。

指定された時間内に指定された数だけリツイートされたらそのお題に沿った創作をしましょう。という系統のツイッター診断で出たお題にて書いた小ネタ。

※診断の性質上、ほとんどの作品がパラレル設定となっております。

>掲載お題<
◆あなたは4時間以内に7RTされたら、喫茶店員と常連客の設定で公衆の前で告白する堂上×笠原の、漫画または小説を書きます。

よろしければ「お題ネタを見る」よりご覧くださいませ。

拍手[70回]





その日も、郁はお気に入りの喫茶店でお気に入りのハーブティーを頼みお気に入りの本を読むという束の間の幸せを堪能していた。
その喫茶店に初めて訪れたのは大学のサークルの先輩に告白して玉砕した日だった。

「いらっしゃいませ。」

告白して振られてもサークルをサボることも出来ず、最後までやりきった郁は着替えている最中に告白した先輩とその友達が郁のことを嗤っているのを聞いてしまいその場を飛び出していた。
結局そのサークルは数日後に女子の仲が良かった先輩に辞めることを伝えて貰って二度と顔は出していないのだが。
その日の帰り道、どこをどう歩いてこの喫茶店に辿り着いたのかさっぱりわからなかったが気付けば入口のドアを潜っていた。
落ち着いた風合いでまとめられた店内は僅かな音量で流されたジャズやカントリー音楽がふわふわと漂っていて居心地がよさそうだった。
冷え切った身体と心を温めたくて席に着くとメニューを開く。
定番のコーヒー、紅茶と並んで目についたのはハーブティーの項目。
普通の喫茶店とは違い、その種類の豊富さにひそかにハーブティーが好きだった郁は目を輝かせた。
そして選んだのはカモミールティー。

「お待たせしました、カモミールティーです。」

水を持ってきた店員に頼んだカモミールティーは違う人物が頼んでいないスコーンと一緒に持ってきた。
メニューのどこにもスコーンが付いてくるなど書いていなかったのは確認済みで、驚いて顔を上げると仏頂面の男性が郁を見下ろしていた。

「あの・・・このスコーン・・・。」
「サービスだから気にしないでください。冷めないうちにどうぞ。」
「・・・・ありがとう、ございます。」

愛想はなかったが、見上げて絡まった視線の先で漆黒の瞳に心配の色がある気がして郁はサービスだという言葉に甘えることにして受け取った。
俯いた郁の頭にぽんっと1度だけ乗った手が温かくて、郁はまるで促されたかのようにそれまで我慢出来ていた涙があふれてきたことに驚いた。
しかしそれが嫌とは思わずそのまま声を押し殺して一人泣いた。
カモミールティーもスコーンも、結局口にする頃にはすっかりと冷めてしまったけれど温かいと感じながら頂いたものだ。
それ以来、郁は定期的にその喫茶店に通うようになった。
試験期間中は自分を落ち着けて勉強に集中するために、普段は落ち込んだ時や嬉しいことがあった時に。
何度も訪れていると沈んでいる時にはスコーンと甘いジャムが一緒に置かれていることに気付く。
いつでも料金は取られず、訪ねればサービスだと言われていつもそれを出す人が同じ人だと気付いた。
そして、顔を上げるといつも同じ仏頂面で真っ直ぐに郁を見つめてくれている視線があった。
最近はその視線が恋しくて喫茶店を訪れるのだが、本人に言う勇気は全くなく郁はただその空間で一緒に居られることを喜ぶ様に通っていた。

「今日は元気そうだな。」
「堂上さん。いつも元気ないわけじゃないんですよ?」
「そうだな。」

今日は昼に差し掛かって、まだ混み合わない喫茶店を確認して昼ごはんも注文した所だった。
出来上がったランチを運んできたのは恋しい視線をくれる店員さんで、常連になるに連れ少しずつ会話が増えて今は砕けた話し方で接してくれるようになった。
郁の方も淡い恋心を持ってはいるが発展させる気もないのでその軽い付き合いを楽しんでいたりする。
なぜなら、堂上は郁が振られた原因にもなる条件を持っていて恋心を認めた時もう一度同じ言葉で降られるのは耐えがたいと無意識に逃げているからだ。
だからといって、恋しい視線をくれるその相手に会わないというのも寂しくて郁は喫茶店に通っていた。

「今日、いつまで居られるんだ?」
「え?えーっと・・・今日は午後の予定は何もないので特に決めてないです。」
「そうか。あと30分くらいで俺は上がるんだがこの後映画に行かないか?」

そのまま去るのかと思った堂上がさらに声を掛けてきて吃驚してまじまじと見返してしまった郁だったが、見つめ返されて慌てて今日の予定を思い出すと素で答えた。
堂上の方も軽く頷くとさらっと誘ってきたので郁は今度こそ固まって動かなくなる。

「おい?」
「えーっと・・・・その、なんでですか?」
「なんでって、嫌なのか?」
「嫌っていうか・・・なんで誘われるのか判らないです。」

固まって動かない郁を解凍させたのは堂上だったが、思考が追い付いていない郁はストレートに理由を問いかけてしまった。
堂上の方は理由を聞かれるとは思っていなかったのか嫌だけど断る理由を探しているのかと言わんばかりに、やはりストレートに問い返してくる。
郁は少し考えて、やはり自分の中で誘われた理由を見つけられずに素直に答えると堂上が僅かに視線を外した。
口元に時々頭に乗せて撫でてくれる郁よりも大きな手を添えて、視線を彷徨わせている様は困っているような照れているような表情で郁は脳裏に過った期待と不安を上手く制御出来なくて俯いた。
そんな郁の様子を見てか、堂上が手を伸ばして郁の頭をぽんっと撫でてから口を開く。

「俺が、笠原さんを好きで一緒に居たいから・・・だ。」

静かな店内で、ひっそりと落とされた声は意外にも遠くまで響いたようでいつの間にか固唾をのんで見守っていた店内の人間が一様にはしゃぎだす。
しかし、郁の方はその声が聞こえた瞬間にびくりと肩を跳ねさせると堂上の手を振りきって傍らの鞄だけを手に店を飛び出した。
店内のはしゃぎだした人たちの声が先輩と一緒に郁を嗤った人たちの声と重なり、堂上の言葉にまさか自分がと信じられずからかわれているのだと思って逃げ出してしまったのだ。
どこをどう走ったのか郁には解らなかったが、息が切れて速度が落ちた頃腕を掴まれて思い切り後ろに引き寄せられた。
反動で転ぶかと思った郁は大きくて暖かい何かに抱き留められてしっかりと抱きしめられていた。

「やっ!!」
「笠原さん!大丈夫だから落ち着け!!」
「やっ!やだぁ~っ!!」
「笠原さんっ!!」

突然のことにパニックになった郁は抱きしめた相手が堂上であることを知ると一瞬緩んだ心をまた硬直させて必死にもがく。
堂上の方は郁を逃がさない様に抱きしめていた手をより強くして近くの路地に引き込んだ。

「落ち着け、頼むから落ち着いてくれ。」
「っく・・・ぅう、なんで・・・なんで私なんですか・・・。からかってそんなに楽しいんですかっ?!」
「からかってなんてない。でも、言う場所が悪かったのは謝る。だから話を聞いてくれ。」

路地裏で、堂上からかけられる言葉にも何が本当なのか見極めることが出来ず郁はイヤイヤと首を横に振る。
しかしいつまでも放してもらえずに必死に言葉を募る堂上に、泣き顔のままそろりと顔を上げれば必死の表情で郁を宥めるのが見えて少し心が落ち着いた。
郁は何度目かの話を聞いてくれという堂上の言葉に漸く小さくコクリと頷くと、ホッとしたような吐息と共に堂上の手が郁の頭を撫でていった。

「笠原さんが初めて喫茶店に来た時からずっと見てた。最初は悲しそうな様子が気にかかって、でも時間が経つごとに笠原さんが常連になるごとに笑顔が見える日が増えて裏表のない俺にも平等に向けられる笑顔に惚れたんだ。今日はどうしても映画に誘って、もうチャンスを逃したくなくて、テンパってたから・・・場所も考えずに言って悪かった。」

そして、今日店内に居たのが常連客で堂上の恋路を見守っている人たちだと教えられてあの歓声が堂上の告白を見届けた喜びからだったことを説明される。
郁はそれを受けてその時を思い出し、確かに自分を嗤った声とは明らかに違っていたと思い返す。
それでも、恥ずかしすぎてあの場には居られなかったかもしれないと思ってしまい俯いた顔を上げることは出来なかった。

「笠原さん、もう一度チャンスをくれないか?今度はちゃんと言うから。」
「・・・・私でいいんですか?」
「笠原さんが良いんだ。」
「でも、私堂上さんより背も高いし、可愛くもないし、女の子らしいことだって一つも出来なくて・・・。」

郁は堂上の言葉に思い切って自分の不安をぶつけてみることにした。
気になっていた堂上から好きだと言われたことは素直に嬉しい。
けれど、堂上が素敵な人だと思うから自分では不釣り合いだと思い、だからこそあの歓声が嗤い声に聞こえて郁はあそこを逃げ出したのだ。
きっと店を放り出してきただろう堂上だって何を言われてしまうか判らないのに自分で良いのだろうか。
そういう想いで堂上に気持ちを伝えれば、自分を卑下している言葉の途中でぐっと抱き寄せられて開いていた隙間がゼロになった。
抱き込まれて、耳元でバカと囁かれる。
少しだけ下に引っ張られた頭は堂上の肩に押し付けられていて、知らない間に零れていたらしい涙が堂上の肩に吸い込まれていく。

「郁は誰よりも可愛い。背は俺が低いだけで郁は普通なんだから気にしなくて良いんだ。俺は郁だから好きになった・・・それじゃあダメか?」
「ダメじゃ・・・ない、です。」
「郁が好きだ。付き合ってくれるか?」
「わっ、私で、いいならっ・・・。」

喜んでという言葉は少し引き上げられたのと同時に押し付けられた堂上の唇に吸い込まれて消えていった。
何度も繰り返される口づけに力が抜けて、堂上の腕に身体を預けるようにして立っているのがやっとになったころ唇を離されると堂上が可愛いと囁いて抱きしめてくれた。
郁はその温もりに静かに目を閉じるとこれから紡がれる日々に恋人との甘い日常日を夢見て、まずは初デートをと改めて映画に誘われるのを顔をほころばせて受けるのだった。
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職業:サボり癖のある事務員
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実写映画から図書戦に完全に嵌りました。暢気で妄想大好きな構ってちゃんですのでお暇な方はコメント等頂けると幸い。

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