龍のほこら RTされたらお題をやる系お題9 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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おはようございます!
昨日は結局更新できずじまいで1日が終わりました、龍春です。
本日はRTお題より1本公開となります。

そろそろストックもなくなるので、キリ番リクエストの消化やストック作成に勤しもうかと思います。
ではでは、お題の方のご説明をば・・・。


指定された時間内に指定された数だけリツイートされたらそのお題に沿った創作をしましょう。という系統のツイッター診断で出たお題にて書いた小ネタ。

※診断の性質上、ほとんどの作品がパラレル設定となっております。

>掲載お題<
◆あなたは40分以内に1RTされたら、それぞれが悪魔と天使の設定でお見合いで出逢うところから始まる堂上篤×笠原郁の、漫画または小説を書きます。 
<以前公開した悪魔と天使のお話とは異なります。>

よろしければ「お題ネタを見る」よりご覧くださいませ。


拍手[67回]





その昔、天使と悪魔は別のものとして捉えられていた。
しかし、天界ではその昔からずっと天使と悪魔は同じものとされてきた。
ただ住む場所が違い、仕事の相手が違うだけ。
そのせいで当時の統治者同士は非常に仲が悪く、人間界で言うところの国交断絶のような状態で何世紀もの時が流れた。
近年、漸く訪れた和解の時に両種族の長達は先々を導く者たちとして互いの知る者で次代を任せられる者たちを見合いさせてみることにした。
それが本日天界は天使の住まう場所と悪魔が住まう場所の中間都市となる場所の高級ホテルのような場所で執り行われる会食であった。
「えー、本日はお日柄もよく・・・。」
「堂上、堂上ってば・・・。」

仲人らしき天 使が聞くに堪えないスピーチをしている中、3組の若い男女と1組の年輩の男女が席に着き食事をしていた。
その中で、漆黒の髪と目をした青年に薄茶の髪と目をした青年が声を掛けていた。
2人の背にある羽は黒っぽく、悪魔と呼ばれる種族だと見て取れる。

「・・・・なんだ。」
「そんな不機嫌な顔してないで、目の前の女性たちに視線向けたら?」

こそこそと無声音で行われる会話に気付いていてもスルーしている者と全く気付いていない者様々だが、薄茶の髪と目の青年はにこやかに隣に座る漆黒の髪と目をした青年に言葉を続けている。
漆黒の髪と目をした青年は甚だ不本意という表情でそっぽを向き、先ほどから食事にも手を付けていない。
仕方ないと言えば仕方ないのかもしれないが、その様子に小さなため息を零した薄茶の髪と目の青年は肩を竦めると視線を前に戻した。
本日、仕事だと呼ばれて訪れた漆黒の髪と目をした青年、堂上は上司である玄田に首根っこを掴まれてあっという間にこの会場に連れてこられていた。
そして始められた見合いの席で何も聞かされていなかったがゆえに腹が立つと言わんばかりの態度なのである。
しかし、だからと言っていつまでもそうしているのは先方に失礼であり漸く漕ぎつけた平和条約という名の歩み寄りをダメにしてしまうのも本意ではなく堂上は小さくため息を吐くと漸く前を向いた。
堂上たち悪魔側は堂上のほかに2人、薄茶の髪と目をした同期の小牧と同じ漆黒の髪と目をした後輩の手塚だ。
そして正面にはそれぞれ純白の羽を背に持つ女性が3人座っている。
堂上の目の前には薄茶の髪をショートにした幼い顔つきだがすらりと姿勢の良い女性が座っていて、その食事風景は豪快だが品は良く何よりとても楽しそうに食べていた。
思わずまじまじと見てしまうと、視線に気づいたらしい女性が口に持っていきかけたフォークを止めて数秒、顔を赤らめて俯いてしまった。

「堂上、見過ぎ。」

俯いて食事を食べれなくなった女性に気付いた小牧が横を見て、堂上の様子に肘で脇をつつくと声を掛ける。
はっと気づいた堂上は慌てて顔を背けるが片手は口元に持っていかれ耳が紅くなっているのが見えて小牧はクスリと笑みを零す。
堅物と言われているこの男は非常に生真面目だが女性の機微に疎く朴念仁なところがある。
内に入れた者に関しては非常に面倒見も良いのだが、いかんせん・・・と、いう奴だ。
そんな堂上は女性にモテており気になった女性と何人かは付き合った遍歴はあるものの、最終的に女性の方が夢中になりすぎて堂上の変わらなさに負けて一緒に居られないと離れていくのだ。
その堂上が、あれしきで顔を赤らめるとか一目惚れだろうなぁ・・・などと楽しげに小牧が考えているのをその場に居る誰も気づいては居ない。
食事は滞りなく進み、堂上と視線があった直後は恥ずかしげに俯いていた薄茶の髪の女性も視線が逸れてしばらくすると落ち着いたのか再び楽しげに食べ始めていた。
堂上は横目でそれを見ながら空腹感を感じることがないためあまり食事が進まなかった。
食事が終わってから、では若い者同士でと年配の男女が去っていくと手塚は黒髪の美しい女性に声を掛けられて出ていき、小牧は緩くウェーブのかかった茶色の髪をした少女に声を掛け出て行った。
出ていく直前、ぽんっと堂上の肩を叩いてから何か言いたげな表情で視線を送っていったのを受けて堂上は漸く正面の席に視線を向けた。
先ほどまで楽しそうに食べていた目の前の女性は、今はどこか哀しげな表情で出ていく2人の女性を見送ると俯いてしまっていた。

「おい・・・。」

自分と居るのはそんなに嫌なのだろうかと思ってしまった堂上は不機嫌になる声を抑えられないまま低く声を出せば、女性はびくりと肩を竦めておずおずと堂上を見つめてきた。
怯えた様に潤んだ瞳は憂いを含んでいて申し訳なさそうな表情が一体何を指すのか判らず堂上は眉間に皺を寄せた。
まだこの席の予約時間は十分にある。
堂上は目の前の女性を見ながらなんと声を掛けるか迷い、口を開きかけた所で女性の方からぽつりと言葉が零れた。

「ごめんなさい・・・あの、わ、私なんかの相手させちゃって・・・・。」

気付けば目の前の女性は上げていた顔を俯かせて、膝に置いているのだろう両手と微動だにしない様子に堂上はさらに眉を寄せる。
告げられた言葉は自分自身を酷く貶めた言い方で堂上の心を酷く波立たせる。
見た限り、「私なんか」と言われるような女性ではない、と堂上は思っていた。
柔らかそうな髪は手触りがよさそうだし、おいしそうに食べていた表情は素直で感情豊かに見えた。
ほっそりとした肢体に小さな顔、大きな瞳は少し幼げに見えるが可愛いと言われる部類に入るだろうと納得できるもので引く手数多に思えるのにどうして卑下するのか。
堂上は再び無言になってしまった女性に僅かに息を吐き、席を立つと女性の傍に立つ。

「確かに、何の説明もなしだったからこの席には嫌々来たがお前の相手が嫌だとは思ってない。」
「で、でも・・・!」
「他の2人と比べても、お前は見劣りしないと思うが?」

すぐそばまで来た堂上に足が俯いた視界に入ったのだろう、ビクリと肩を揺らす女性に出来る限り声を柔らかく出すよう意識しながら言葉を掛けるとばっと上がった顔はもう泣きそうになっていた。
堂上はそれを見て無意識に手を伸ばすと、柔らかそうだと思っていた髪に指を通して撫で梳き思ったことを口にする。
相手の女性はその言葉に目を真ん丸に見開くと次いで徐々に頬を淡い桜色に染めて恥ずかしげに俯いた。
その表情やしぐさが可愛らしく、堂上は思わずクスリと笑みを零してしまう。

「そ・・・んな、こと・・・・。わ、私、女らしくない・・・し、男勝りで・・・せ、背も・・・!」
「今こうして照れてる姿は十分女らしいが?背は持って生まれたモノだから仕方ないだろう。俺は低いしな。」

座った状態では解らないが、背を気にするなら高い方なのだろうと思うがこれだけ華奢なら気になるほどではないのでは?と首を傾げながら自分のコンプレックスである低さを出してみると女性は黙り込む。

「とりあえず、名前を教えてくれないか?」
「・・・・郁・・・です。」
「・・・・俺は篤だ。嫌じゃなければ、少し話をしないか?」

待っていても口を開かない女性、郁に名前を問いかけると真名が返されて驚きに目を開くが同じように真名を返した堂上は驚きに顔を上げた郁と視線があって自然に微笑んだ。
通常、天使や悪魔は下の名を明かすことはない。
下の名は真名と言い、それを知る者の力が自分より強ければ己の意志を無視した命令をも聞かせることが出来る呪文のような物だからだ。
しかし郁はあっさりと堂上に真名を差し出してきた。
堂上もそれに返すのは吝かではないと思ったのだが、郁のそれは無意識無自覚なものだったのだろうか?と首を傾げる。

「・・・私で良いんですか?」
「郁だから返した。ダメか?」

確認するような言葉に問いを返せば、少ししてフルフルと首を左右に振った郁がはにかんだような笑みを見せて嬉しいと返してきた。
その日は連絡手段の交換と普段呼ぶための苗字の交換をして、ほんの少しだけの世間話と次に会う約束だけを取り付けて時間が来た。
後々、郁がなぜあんなにも女らしさやらなんやらに拘ったのかなどが判るのだが、それはまた別の話である。
見合いで出会った2人の先がどうなるのかは、2人のみぞしるモノである。
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職業:サボり癖のある事務員
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