龍のほこら 噂のカプチーノ 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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こんばんは!!
昨日からちまちま書いておりました短編を本日は公開します。

今回の短編は私が大好きなシリーズの漫画より背景等頂いております。
『Cafe南青山骨董通り』というシリーズで、とあるカフェのカプチーノを飲むと素敵な恋、運命の相手に出会えるという噂がテーマでカプチーノが色んな恋模様を1話読み切りで描いている作品です。

少しアンティークでレトロな雰囲気を持ちつつ、カプチーノを飲んだ男女が惹かれ合っていく様子を描かれていて私は好きな作品なのです。
と、いうことでこのカプチーノを郁ちゃんが飲んでいたら?という設定で書いております。

時期:上官部下期(戦争中期~内乱初めのどこかくらい)
CP:堂郁
傾向:ほのぼの

堂郁の絡みは最後にちょっとだけです。
よろしければ「本編スタート」よりご覧くださいませ。



拍手[65回]





「んー・・・・久しぶりにあそこ、行ってみようかなぁ・・・。」

特殊部隊に入って漸く慣れた頃に訪れた公休日、いつもの休日よりやや早く目が覚めた郁は綺麗に晴れ渡った空を見上げてふと思いついた場所へ訪れてみる気になり準備を始めた。
裾がくしゅくしゅになったスキニーパンツにロングTシャツを合わせてポーチに財布やハンカチ、必要最低限の荷物を詰めて肩に掛けるとスポーツシューズを合わせて寮を出た。
郁が向かったのは高校時代、それこそ王子様に出会う直前に陸上の顧問が頑張ったご褒美だと言って都内の競技場での試合帰りにつれて来てくれたのが最初の落ち着いた雰囲気のカフェだった。

――カラン、カラン

可愛らしいベルの音を響かせて扉を開けると昼時が間近に迫っているせいか少し混み合っていたが一人ならどうとでもなりそうな程度には席の空きがある店内が見えた。
ドアの陰から顔を覗かせると大学時代に通ったおかげで顔馴染になったマスターが久しぶりに顔を出した郁を見て穏やかな笑みを向けてくれた。

「こんにちは、しばらくぶりだね。」
「こんにちは!はい、ちょっと仕事に慣れるのに時間かかっちゃって・・・。」
「ああ、そういえば卒業して実業団じゃなくて就職したんだったね。仕事はどう?」
「ぼちぼちです。私、頭悪いから。」

おいでと手招いてくれるマスターに誘われるまま店内に足を踏み入れた郁は案内された席に座りながら掛けられる言葉に笑顔で返事を返していく。
水とメニューを持ってきてくれた店員にお礼を言いながら受け取るとメニューを開く。

「うーん・・・飲み物はカプチーノで決定してるんだけどなぁ・・・ランチどれにしよっかなぁ・・・。」
「今日の日替わりはオムライスだよ。」
「わ、ほんとですか?!じゃあ、日替わりで!食後にカプチーノと今日のケーキでお願いします。」
「了解。」

悩んでいると珈琲を運んでいたらしいマスターが立ち寄ってアドバイスをくれたので、郁はそれに飛びつくと注文をしてソファに寛ぐ。
店内はアンティーク調の家具や温かみのある食器、可愛らしい花たちで飾られていて音も騒音になるようなものはなく時間がゆったりと流れている様な錯覚を覚える空間が広がっている。
郁は少しだけぼうっとすると持ってきた本を開いて栞を挟んでいたページに辿り着くと続きから読み始める。
郁が今嵌っている本は今居るカフェとそっくりな場所で密かに噂されている恋を呼ぶカプチーノが織りなす色んな人物の恋愛模様を詰め込んだ短編集だ。
口コミで広がったその本は人気が高く、図書館での予約も数か月待ちを記録している。
郁はこのシリーズを初めてこのカフェに来ることになった日の前日に見つけて購入していた。
その本の1話目を読んでからこのカフェを訪れたのでイメージぴったりのこのカフェで頼むのはカプチーノで、初めて来た時からずっとそれになっている。
何しろ、ここでカプチーノを初めて飲んでから部活を引退した後の本屋で運命の出会いをしてしまったのだから・・・。

「んふふ、いいなぁ・・・。」

1話、読み終わる度にほんわりと頬を薄桃に染めて夢想に入る郁は戦闘職種に就いたとは誰も思わないだろう。
このカフェの客はみな品行方正でナンパをするような輩もおらず、郁は気の済むまで本とカフェとカプチーノを堪能して帰路に着いた。
そして、カフェから一番近い最寄駅の改札を潜りながら機嫌よく歩いていた郁だったが不意に視界に見覚えのある、だがここには非常に不釣り合いだと考えてしまう存在に気付いた。

「な・・・んで・・・。」

色んな事件を経て、少しだけくそ教官からは格上げになった自分の元錬成教官であり現直属の上司である堂上の背中。
郁の目に飛び込んできたのは不機嫌そうに荷物をぶら下げてホームに立つその人の姿だった。

「・・・・笠原。」
「っ・・・こ、こんにちは!」
「ばっ!声がでかいっ!!」
「す、すみませんっ!!」

動けずにまじまじと見つめてしまった郁の視線に気づいたのか、堂上が振り返って郁を視界に収めた。
その目を見開き、名前を呼んだのが唇の動きで解ったが郁の耳には音として届くことはなかった。
ただ、呼ばれたのは解ったので反射で挨拶をしたが驚きと緊張のあまり声が大きくなってしまった郁に声を潜めながら怒鳴るという器用なことをした堂上が手を振り上げたので郁は反射で拳骨を覚悟して肩を竦める。
慌てて謝った郁の頭上に拳骨ではなくぽんっと掌が乗ってくしゃりと乱暴に頭を撫でて離れていく。

「まぁ、いい。今回は見逃してやる。で、お前どうしたんだこんなとこで。」
「あ、えーっと・・・大学の頃から気に入ってるカフェがあって。久しぶりに行きたくなったので・・・。」
「あの時間からこんな時間までか?」
「ええ、気付いたらこんな時間になっちゃってて。居心地良い場所なんでつい・・・って、あの時間って、教官?」

郁はここに居る理由を尋ねられてどう説明しようか迷いつつもどんなカフェかなど判らないだろうと素直に答えると訝しげな表情をした堂上が妙な質問をしてきて郁はきょとんとした表情で堂上を見る。
何で知ってるの?と首を傾げてじっと堂上を見れば居心地が悪そうに身じろぎして視線を逸らされて郁はさらに首を傾げる。

「・・・・用事で来た時に、途中の喫茶店でお前のこと見かけたんだよ。窓際、座ってただろ・・・。」
「へっ・・・?な、え、むぐっ~~~~!!!」

じっと郁が見つめていると根負けしたらしい堂上がなぜ妙な質問になったのか、その理由を白状した。
しかし、予想外の内容に目を見開いた郁は思いっきり息を吸い込み叫びそうになった。
咄嗟に気付いた堂上が荷物を持たない方の手で慌てて塞いだおかげでホームに響き渡るような叫び声はしなかったが、くぐもった声が堂上の耳に届く。
暫くしてタイミングを見計らって離すぞと声を掛けられた郁はコクコクと頷いて、解放されてぷはぁっと大きな息を吐いた。
改めて堂上を見るとどこかふてくされたような表情で横を向いて頭をガシガシと掻いている。

「教官、私が居た喫茶店知ってたんですか?」
「偶々だ!偶々!!目的の店の途中でお前が居たっていう喫茶店があったんだよ。帰りにも通りかかったがいなかったから・・・。」
「あー・・・たぶん、お会計しようと思って席を立って雑貨見せて貰ってた時だったんだと思います。たまに委託されたとかで置いてる時があるから。」
「・・・そうか。」
「はい。」

郁は堂上の反応を新鮮な物として受け止めて、滅多に見れない様子が見れたことに自分でも驚くほどウキウキと嬉しい気持ちになっていた。
満面の笑みになるのを止められず、その笑みのまま堂上を見つめていればどこか疲れたような息を吐いて漸く顔を上げた堂上が郁を見る。
のほほんとした雰囲気で課業時とは違うが同じ周りを笑顔にする笑みに、堂上は拍子抜けしたような表情でふっと笑うと丁度電車がホームに入ってきた。
ラッシュの時間は通り過ぎたが、まだ人が少ないとは言えない時間で堂上は空いた手で自然に郁をエスコートすると電車に乗り込む。
郁の方はと言えば、そんな扱いを堂上どころか今まで出会った男性の誰からもされたことがないために顔を真っ赤に染めてオロオロとしている。

「おい、こら、落ち着け。別に取って食いやしない。人が多いからだ。」
「う・・・だっ!こんな・・・まるで女の子みたいな扱いされたことなくて・・・。」

落ち着きなく視線を彷徨わせる郁に慣れていないのだろうと予想は出来たがなんだか自分が悪いことをしている様な気分になった堂上が不機嫌そうに指摘すれば申し訳なさそうな表情になって俯いてぼそぼそと言葉を落とされて堂上がドキリと胸を鳴らす。
くっそ、と内心でその可愛さに悪態をつきながらも手を伸ばしてぽんぽんと頭を撫でてやるとほっとしたように肩の力を抜いて器用な上目遣いをする郁に苦笑を浮かべる。

「お前だって女だろうが。今日は大人しくエスコートされとけ。」
「・・・・はい・・・。」

自分への自己評価が低いのはなんとなく気付いては居たが、高校生で出会った時から可愛いと思っていた少女が自分の行動1つでこうも紅くなるとはどこか気分が良いなと思う堂上はそのまま基地まで郁をエスコートして帰った。
翌日からはまた鬼教官に逆戻りをしており、郁はあの時の堂上はただの夢だ、幻だ!とすっかり記憶のかなたへと消し去っていた。
しかし、実は堂上も数年前にあそこのカフェでカプチーノを飲んでいたことがあったり、郁が気に入っている本に登場するカフェは実はあのカフェがモデルでテーマに使われているカプチーノの噂も実際にあるモノであると知るのは何年も先の話だった。


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