龍のほこら Because I am lonely, I want to meet 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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うふふ・・・・先日仕事でぎゃーすか泣き叫んでたら、慰めてくれたYu-Riyさんが
慰労を兼ねて甘いのを送って下さったんです・・・・!!!!
すっごい甘くてめちゃくちゃ癒されたんですが、一人占めは勿体ない!!!と思って
自由にして良いよと言ってくださったのでアップしちゃいます♪
タイトルは私が勝手につけさせて頂きましたよー。

あと、肩の方ご心配おかけしてしまった方もいらっしゃいまして申し訳ない。
結論から言いますと、階段落ちかけたアレは筋肉痛だけでした。
ただ、それ以前からちょっとやらかしていたらしくそちらの治療をすることに^^;
痛み自体はもうほとんど引いて日常生活には支障なくなっておりますのでご安心を。
取り急ぎそのご報告だけこちらでさせて頂きますね!

※ このページの本編はYu-Riy様の作品になります。
拍手・コメントにお寄せ頂いた作品への感想はYu-Riy様へお届けします。
じゃんじゃんお寄せ下さいね!

拍手[63回]





「あーあ、教官に会いたいな・・・。」

事務室に誰もいないことを良いことに呟く。
最近教官は忙しくてほとんど事務室にはいない。
玄田隊長の付き添いで日帰り出張だったり、また会議が重なっていたりと丸1日見かけることが無い日すらあった。
今日何故一人で居残っているのかと言うとやはり自分の入力ミスのせいだ。
手塚は早々に日報を出して帰寮し、小牧教官は日報だけ見て毬江ちゃんと約束があると帰っていった。
半分くらい入力が終わったところで一度休憩を挟む。
誰かを待たせているわけでもなく、ただ一人黙々とやっているだけだから時間は自由だ。
今から帰ったとしても食堂は開いてないだろうし、今日はコンビニ弁当か・・・。

「さてと・・・残りを終わらせようかな。」

もう一度パソコンへと向かう。
少しだけ寂しいと思ったのは気のせいだと思いたい。
それでもつい思い出してしまうのは、こういう時、堂上教官はいつも手伝ってくれたし、どんなに遅くなっても必ず最後まで待っていてくれたからだ。
カタカタカタキーボードの音だけが室内に響く。
黙々と入力し、あと三分の一で終わる、と言うところで事務室の扉が開く音が聞こえた。

「お前、まだやってんのか。」

振り向かなくてもそれが誰の声か分かる。
しかしあえて何も言わずにパソコンに向かった。

「おい、笠原。」

あと少しで終わるのに。
どうしてこういうタイミングで来るんですか。

「お、お疲れ様です。堂上教官。どうしてここに・・・?今日は直帰だったはずでは?」

振り向かない。
入力しているフリを続けながらそんな事を言った。

「あ、ああ。直帰だったんだがな・・・。少し気になる事があってな。」

少しずつ気配が近づくのが分かる。

「まだあるなら残り寄越せ。手伝ってやるから。」

あぁ、優しくしないで。
今優しくされるとあたしは。

「だ、大丈夫ですから!教官も最近忙しかったからお疲れでしょう?先に帰ってください。私もすぐ終わりますから。」
「・・・そうか。」

その反応に安堵した。
今、教官の顔なんか見たらダメだから。
せっかく頑張ってたのに。

「あんまり遅くなるなよ。」
「わ、分かってますって!」
「お疲れ。」
「お疲れ様でした。」

扉が閉まる。
足音が離れるのを確認して手を止めた。

「ふぅ・・・。」

ぽたぽたと涙が零れる所は見られたくなかった。
こうやって教官の声が聞けただけで嬉しかった。
恋の病は重症で、どうにも出来ない想いばかりが溢れていく。
優しくしてくれるのが嬉しくのにそれが悲しくもあった。

「とにかく終わらせなきゃ。」

ぐいっと涙を拭って三度パソコンに向かった。




全部の入力が終わったのはそれから1時間後。
保存したのを確認してからパソコンの電源を落とした。

「もう10時か・・・。」

今からコンビニなんかに行けばきっと教官に怒られるだろうな。
でもお腹は空いてるし・・・・うーん、どうしよう。

頭でそんな事を考えながら荷物を纏める。
パチンと部屋の電気を消して扉を開けた――――途端。




「遅い。」

出てすぐ。

「きゃっ、」
「遅い。」
「きょ、きょーかん?!」
「こんなにかかるならさっきの残り寄越せよ、馬鹿。」
「ば、馬鹿って!教官こそ何してるんですか!!」
「何って・・・お前待ってたに決まってるだろっ。」
「ま、待ってたって・・・。」
「・・・ったく、お前は。」

呆れながらも声が優しいのは気のせいか。

「やる。」

そう言って渡されたのはコンビニの袋。

「あの・・・?」
「どうせ今からコンビニ行こうとか考えたんだろ?」
「・・・ええっと、」
「夕飯だ夕飯。食ってないんだろ、お前。」
「はぁ、まぁ・・・。」
「せっかくだから俺も一緒に食う。中戻れ。」
「・・・は?」
「いいから!」

中ば強制的に室内へと戻される。
渡された袋にはおにぎり2つとペットボトルが1本入っていた。

「こんなんしかなくて悪かったな。」
「いえ・・・何かすみません。助かりました。」
「ん。」

おにぎり2つなんてすぐに食べ終わって、手元にはペットボトルしかもう残ってなかった。
無言が続いて少し気まずい。
しかしその空気を先に割ったのは教官だった。

「お前・・・何かあったのか?」

ガバっと顔を上げる。
しまった、と思ったときにはすでに遅く。

「最近忙しかったからあんまり気に掛けてやれなくて悪かったな。」

気付いた時には教官がすぐ隣に居た。
頭にぽんと手が乗る。

「いや、あの・・・何にも、ないです。」
「じゃぁ何でさっき泣いてた。」
「えっ、」
「気付かれてないと思ってたら大間違いだぞ。」

ぽんぽんと頭を撫でる。
その手が好きで、その手の持ち主が好きで。
久しぶりのその感触に想いが込み上げる。

「何した。」
「・・・なにも。」
「そうか。」

理由を深く聞くことは無いけれど、撫でる手は止まらず優しい。
ここ数日分を取り返すかのようにずっと頭を撫でる。

どのくらいの時間そうしてくれてたのか分からないけど、やっと心が充たされた。
寂しかった思いもどこかへと消えた。

「すみません・・・。」
「何がだ。」
「いえ・・・あの、」
「お前・・・色々駄々漏れだぞ。」

苦笑しながら教官が言う。

「食べ終わったなら帰るか。明日遅刻したら怒るからな。」
「し、しません!」
「それだけ威勢が良ければ大丈夫だ。」

ふっと笑うのを感じて顔を見ると、優しい笑顔で笑っていた。





共用ロビーでの別れ際。
またぽんっと手が頭に乗る。

「また明日から通常通りに戻るから。」
「・・・・・・はい。」
「寂しくして悪かった。こんなことだったらいつでもしてやるから・・・その、泣く前に言えよ。」

ぽんぽん、とされた後。

「おやすみ。」

そう言って教官は男子寮に足を向ける。

「お、おやすみなさい・・・。」

やっとの思いで出たその言葉に教官は右手を上げて答えてくれた。
その姿がぼーっと見つめる。
完全に見えなくなったところで自分も女子寮へと足を向けた。

その日は久しぶりに穏やかに眠り、翌日は遅刻する事なく出勤したのは言うまでも無い。
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