龍のほこら After a marriage meeting 2話(没案2) 忍者ブログ

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図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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おはようございます!
昨日更新した久々過ぎる貴族パロ、いかがでしたでしょうか?
本日は昨日宣言した通り、没案として入れたかったネタだけどどうしてもしっくりこなくて止めてしまった文章を公開です。

前後の繋がりは特にないのですが、麻子さんと郁ちゃんの絡みを入れたくて四苦八苦した名残です(笑)
郁ちゃんが堂上さんの御屋敷を訪れる前にこんなやりとりがあったかもしれない……くらいの軽い気持ちで見て頂けたら幸いです。
お返事は明日辺りさせて頂きます・w・ゞ

では、よろしければ「本編スタート」よりご覧くださいませ。



「で? あんたはどうしたいのよ」

あの悔しいお見合いの日から七日ほどが経った。泣いて帰ってきた私を酷く心配した麻子は泊まり込みで話を聞いてくれた。
私の自意識過剰のせいで、麻子にも迷惑をかけてしまったと酷く落ち込んだけれどそれは違うと怒られて心配してくれる親友に心から感謝したのはつい5日ほどは前の話だ。
そして、あれから二日後に届いた手紙を前に今は悶々と考えている……。
手紙の差出人は、あの日、私が一瞬だけ心惹かれた男性からで泣かせてしまった謝罪とか、奉公……と、いうよりは仕事の手伝いを頼みたいといった内容ではあった。
あったのだけれど……。

「どうしたいって言われても……これ、拒否権ないじゃない」
「嫌なら断っても良いっておじさまは仰ってるんでしょ? なら、別に拒否権がないわけじゃないわよ」
「でもさ、私、こんなだからこれ以上お父様に迷惑かけたくないもん」
「ふーん? なら、何をそんなに拗ねてるのよ」

手紙が届いたと伝えた翌日には一度顔を出した麻子は、手紙を前にまだ悶々としている私を見て呆れ顔だ。
断るなら断るとはっきり決めなさい、と言葉じゃなく態度というか、雰囲気が言っている。
私は手紙を持ち上げて中に書かれた文章にもう一度目を通す。この数日何度となく目を通したその文章はどう読んでも前言を撤回はしていないのだ。
ただ、泣かせるつもりはなかったという言葉と共に仕事にどうしても力を貸してほしいから今日から数えてあと二日後の指定された時間に彼の家へ来てほしいという内容が綴られている。
第一印象と違わぬ少しだけ角ばった硬い形式の文字は、かなりの癖字の様で少々読みづらいのがご愛嬌なのかな、とぼんやりと思う。

「前言撤回されてないんだもん……上っ面だけの謝罪なんて要らない……」
「……まぁ、それはそうね。でも、その人かなりの堅物だって噂よ? 年齢的に浮世を流していてもおかしくないって言うのに女性の影は一つもない。男色じゃないかって言われてるくらいだし」
「えぇ……そんな情報もっと要らない」

行くか、行かないか、お父様のことを考えると行かざるを得ないけれどあまり行きたいとは思えない。
また女性としては認めて貰えないんだろうか? 男なら良かったのに……そう、影で言われていることは知っているけれど。
まだ七日しか経っていない現状では未だにはっきりと言われた言葉を思い出いてしまって、鼻の奥がツンとして涙が浮かびそうになるのを唇を噛み締めて堪える。
そんな私の様子を見た麻子が、小さなため息を一つ吐いたのが聞こえてビクリと肩を揺らして俯いてしまう。
逃げても何も変わらないし、私自身がこの時代の一般的な女性とは異質だという自覚はあるしそのせいでお母様と折り合いが悪いのも理解している。
だからといって、面と向かって言われても笑っていられるほどにはまだ強くない……。

「あんたのコンプレックスは知ってるつもりだし、理解もしてるつもり。でも、この男、口下手の要らんこと言いだって話も聞いたことがあるわ。頼りにされたなら、これから見返せばいいじゃない」
「……無理」
「無理って……」

呆れたような麻子の声にツキリと胸の奥が痛むのは、あれだけ手伝って貰ったのにあんな言葉を貰ってしまった自分に対しての情けなさだ。
でも、私にはもう一度彼の前に女性としての姿で立って役に立つということは無理だと思えた。それに、この手紙の内容を見るに女性としての私が必要なわけではないだろうし……。
そう思うと、もう良いか……と思えてきた。どうせ、今更なのだ。これ以上噂が大きくなろうとなるまいと、この先私を女性として見てくれる人などいないに違いない。
散々悩んだこの七日ほどを振り返って、時間を無駄にした気がすると自分で自分に呆れてくる。

「私、行ってくる」
「そう。なら準備しなくちゃね! 前回よりももっと色っぽく!」
「あ、違うの。私、いつもの格好で行くよ。迎えに来るわけでもないみたいだし、そもそもこの手紙を見た限り侍女が欲しいわけでもないみたいだし……」
「何言ってるのよ!」

さっそく用意しなくっちゃ! と立ち上がる麻子を慌てて止めると、目を吊り上げて怒った顔の麻子が振り返って文句を言ってくる。
けど、私はもう決めたからと見つめ返して伝えた。女性として求められないなら、きちんと求められた仕事が出来るようにしたい。
この場合、女性としての私では逆に邪魔になってしまう可能性が高いのだ。求められている内容を考えてみても、作業を実際に見せる可能性も高い。
折角麻子が選んでくれた綺麗なドレスたちを仕事の為とはいえ泥だらけにしてしまうのも忍びない。
私に求められたのは、好きで始めた園芸の、しかも、ハーブに関する知識だ。

「お見合いも、あの人は聞かされてなかったみたいで純粋に仕事の為の知識を持つ人を探してたみたいだしさ」
「だからって……」
「いいの!」
「……はぁ、わかったわ。でも、もし必要だったら声掛けて頂戴。今度はあんな台詞言わせないんだから!」
「うん、ありがとう」

納得がいかない、という雰囲気の麻子は本当に怒ってくれている。それが私には嬉しかった。
帰ってきて泣いていた私をお母様も心配はしてくれたけど、お父様が軽く事情を話した途端に顔をしかめてだから貴女は! と言い始めてしまった。
お説教なんか聞きたくなくて、今回は特に、お父様にこれ以上の迷惑をかけたくなくて頑張ったつもりだったから余計だった。
お母様が紡ぐ「女の子らしくしなさい」は、私にとって鋭利なナイフで切りつけられるのと同じだけの痛みがある。幼いころはそれでもお母様に認めてもらいたくて自分の出来ることを頑張ってもみた。
けれど、今はもうそれすらもする気になれないのは、あの期待に満ちた目と落胆に満ちた目を交互に見続けたせいだろうか……。

「郁、あんたは本当に可愛いのよ?」
「ふふ、ありがと。そんなこと言ってくれるの麻子だけだけどね」
「見る目がないのよ、本当に!」

憤る麻子に、思わず苦笑が漏れる。誰よりも女の子らしいのに、と言ってくれるのは今はもう麻子だけだ。
兄たちやお父様は、妹として、娘として可愛がってくれているのは理解している。けれど異性としてはやはり身内だから可愛いという言葉もお世辞だと思う。
今まで散々言われてきた言葉たちは、今はもう私の素だと思っているけれど時々本当に悲しくなってしまう。我慢できずに泣くのは真夜中の一刻だけ。
どうせ頑張っても私は今以上になれないのだと今度こそ痛感した。もう、二度とあの格好はしないかもしれないけど一瞬だけでも夢を見れただけよしとしよう。

「さて、じゃあ、せめて今度の約束にはきちんとした格好を用意しないとね」
「えー……いいよ、お兄たちのお下がりで十分じゃん。かなり上等なのを、成長期だからとかなんとかでほとんど新品同様のを渡されてるんだよ?」
「あら、それでも! よ。だって、この依頼って王様からもおじさま経由で依頼があったんでしょ?」
「げ……なんで知ってんの」
「うふふ、私に知らないことなんてないわよ? 特に、郁に関してはね!」
「やめてーっ!」

麻子が冗談めかして言う言葉に、私が冗談めかして悲鳴を上げれば逃がさないわよ? と絡んでくる。
二人でそうやって戯れてから仕方がないので近々、彼の所へ赴くための服を決めたりそのための用意を整えたりということに時間を費やした。

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