龍のほこら ネクタイ 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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こんばんは!
本日は日付が変わったところで更新です。

久しぶりにパラレルじゃない、連載でもない普通の小話が書きたくなったんですがネタが出てこなかったので以前支部で掲載した話の前部分として書いて省いたところを加筆修正してみました。

関連小話:『とある特殊部隊の日常

ちょっと時期的に苦しい部分もあるんですが、査問・昇任試験後で王子様卒業宣言終わってたらこんな感じでもありかなぁ?という感じで設定が適当です。
大変申し訳ありませんが、お好きなところで想像してやってください^^;

それでは、「本編スタート」よりご覧下さいませ。


拍手[56回]





郁は日報を書きながら1つの案件を脳内で考えあぐねて迷っていた。
本当なら、今日の課業を完璧にこなしてその上で堂上に渡そうと思っていたものだったのにうっかりミスで午前中に迷惑をかけていたため渡しづらかったのだ。
しかし、今日を逃してしまえばまたいつ渡す勇気が持てるか判らずまた子供たちとの約束もあったため精一杯丁寧に書き上げた日報を手に意を決すると鞄から細身の箱を取り出して席を立った。
向かうは堂上のデスクで、堂上の背後に立つと深呼吸してから緊張気味に声をかけた。

「あ、あの、教官!!これ、いつでも良いので使って貰えませんかっ!!」

いつも通り郁の日報待ちで二人きりになった事務所で日報と共に郁が堂上に頭を深々と下げて差し出したのは細長い箱。
見た目から想像するに、ネクタイらしき物だと思われるその箱を差し出して真っ赤な顔で身体を90度に曲げている郁を驚きの表情で見る堂上。
受け取って良い物かと迷いながらもとりあえず事の発端を聞き出すかと思い声を掛けるために口を開く。

「笠原、それが何かってのとどうしてか聞いても良いか?」

受け取るのはやぶさかではないと思うものの、直近に誕生日も記念日もましてやそういう風習がありそうなものも何もないわけで・・・。
柴崎辺りに乗せられたのだろうかと警戒しつつも柔らかい声を意識しつつ問いかければ恐る恐るあげられた顔は予想以上に紅く染まっており、見つめてくる瞳は羞恥からか怯えからか潤んで水分を多く含んでいた。
うっ・・・と息を詰まらせる堂上に、泣きそうに顔を歪ませた郁に堂上は慌てて逃げられない様に差し出されていた手を捕まえた。
郁は逃げるタイミングを逃したまま問いかけてくる堂上の様子に困らせるか怒らせていると思うと涙が滲み始めてしまい、見られないようにと反射的に俯く。

「怒ってないし迷惑とかじゃなくてな、誕生日でもなんでもないのに貰う理由が解らんだろう?だからそれが聞きたかっただけだ。貰って良いなら遠慮なく受け取るから。」

下を向いてしまった郁に言葉をかけた堂上はだから泣くな、とまでは言えず片手で郁の両手を纏めてしっかりとつかんで空けた手でぽんぽんと頭を撫でると郁が落ち着くのを待つ。
郁は頭をぽんぽんとされて幾分か落ち着いたのか小さく息を吐いて視線を彷徨わせどう説明しようか悩むように口を開けたり閉じたりしている。

「その・・・この間、子供たちと話す機会があって・・・。」

昇任試験の後から、郁は業務部を差し置いて子供たちに人気の図書隊員1位の座を得ている。
普段からニコニコと笑顔を絶やさず、話も自然と視線を合わせて丁寧に聞いてくれる郁を子供たちが気に入らないわけがなく図書館の警備などで会うと声を掛けてくるのだ。
今回もその時に交わした会話が要因になっているのだろうとそこまで聞いて容易に想像できる。
行動の要因が柴崎ではないことに僅かに安堵しながら、堂上は大人しく聞く体制を保つ。
もちろん、途中で逃げ出されない様に郁の手首は掴んだままだ。
先頃から離して欲しそうにぐいぐいと引っ張られるが知らない振りである。

「子供たち、教官に話しかけてみたいって言ってて・・・でも、その・・・・。わ、私が怒られてることが多くていつも怖い顔してるから話しかけれないって言われて。な、何かきっかけになるものがあればって思ってこれ思いつきました!!」

話し始めれば覚悟は決まったのか、ぎゅっと目を瞑って肩を竦めた郁は最後の方は叫ぶ様に告げて拳骨を待機した。
待つこと数秒、郁の頭に乗せられたのは拳骨ではなく優しい手のひらで、ぽんぽんと2度跳ねて離れた。

「きょーかん・・・?」

優しいしぐさに思わず顔を上げた郁に堂上は無意識に柔らかい笑みを浮かべており、ぽかーんと見ていた郁の顔はポンッと音でも立てたような勢いで先ほどとは違う朱に染まりオロオロとし始める。
手を取り返して逃げ出したいと思うが、しっかりと捕まっている手首はどうやっても外れそうにない。
どうしようもなくなって助けを求めるのは目の前の相手しかおらず、お伺いするようにこぼれた音に堂上の笑みはさらに深まる。
困惑顔の郁に気付いたのか、堂上は再度手を乗せて郁の頭の上でぽんぽんと跳ねさせると手首のものと一緒に手を離した。

「中見て良いか?」
「あ、はい。」

そして、堂上が細長い箱を受け取りながら聞けば、反射なのかこくりと素直に頷いた郁に箱の包装紙を丁寧に剥がしながら中を確認する。
中から出てきたのは濃紺に同系色の薄目の色で良く知られたキャラクターがドットになったネクタイだった。

「・・・・・。」
「あ、あの・・・ごめんなさい・・・。やっぱり・・・。」

良いですと言って堂上の手からネクタイを取り上げようとした郁だったが、一足早く堂上が避けて奪還を阻止される。

「教官!!」

郁は箱を取り返し損ねて思わず避難の声を上げる。
郁としては、少しでも固まってしまうような困らせるようなものを渡したことが申し訳なくてなかったことにしたい一心である。
しかし、堂上の方としては若干固まってしまったものの改めて見ればデザイン自体はシンプルでパッと見は気付かれないデザインの物で自分の好みの範疇であると気付く。
そのデザインはネットなどで探すにしてもかなり吟味して探したのだろうというのが伺えて郁の気遣いに顔がにやけるのを止められずそっぽを向く。
そっぽを向いてしまった堂上を見てやっぱり迷惑だったと勘違いした郁がネクタイを取り返そうと躍起になるのを軽く躱しながら堂上は素早く箱の蓋を締めて鞄に仕舞った。

「教官?!」

目の前で鞄に仕舞われてしまったネクタイに、気に入らなかったんじゃないのかと焦った声を上げた郁を堂上は睨んで抑える。
睨まれた郁は勘違いに拍車をかけてじわじわと涙が浮かんでくるのを止められないが、絡まった視線をほどくことが出来ず堂上を見たままだ。
堂上は郁の眦に浮かんだ涙に勘違いしていることに気付いて慌てて手を伸ばすと何度目か判らない頭ぽんをしながら涙も親指で拭ってやる。
堂上が触れただけで一瞬で紅く染まる頬に、勘違いしてもいいだろうか?などと横道にそれた内容を考えつつもネクタイが迷惑でなかったことを伝えるために口を開く。

「子供たちは目ざといからな、きっと気付くだろうさ。」

気に入ったことを伝えるのが照れくさいのか、堂上は口を開いたが言いあぐねてそっぽを向いてしまった。
しかし頭を撫でる手はそのままに顔は背けたままだったがぶっきらぼうにどうにか言葉を紡いだ堂上は内心でもう少し言い方があるだろう自分に突っ込む。
だからといって出てしまった言葉を取り返すことも出来ず横目で郁を見やれば郁の方は紅い顔のまま嬉しそうな笑顔を見せて元気に「ハイ!」と返事をしてきた。
可愛い顔をするな!!と怒鳴りつけたくなるのを辛うじて堪えると、堂上は漸く預かったままネクタイのことで後回しになった郁の日報に判を押す。
日報を差し出しつつ郁を見れば嬉しそうに笑っていてつられる様に堂上の笑みが甘くなる。

「ほら、今日は俺も終わりだ。これのお礼に食いに行くぞ。」
「え?」

自分の突飛な提案に理解を示してくれただけじゃなく、食事まで誘われて郁は大きく目を見開く。
動けないまま堂上を凝視していると、受け取り忘れた日報で頭を痛くない程度にはたかれて郁は反射でそれを受け取ると「早くしろ!」と言う堂上の声に慌てて準備をする。
堂上も手早くデスクの上を片付けると2人並んで図書基地からほど近いこじんまりとした小料理店へと夕飯を食べに行った。
美味しい料理と酒に舌鼓を打ち、寝落ちなかった郁と寮に戻って来た堂上は共用ロビーで別れると自室に戻った。
シャワーを軽く浴びて寝る前の1本とビールを片手にテーブルの前に座るとノックと同時にドアが開いて小牧が顔を出した。

「お前な、せめて返事を待てよな。」
「いいじゃない、いつものことだから。」
「はぁ・・・で、今日はどうしたんだ?」
「うん、笠原さんと食事してきたの?」

自室に入って来た小牧に呆れつつも冷蔵庫から冷えたビールを取り出して持って来たのを交換で入れているのを眺めつつ声を掛ければいきなり直球を返されて、堂上はごふっとむせる。
咳をしながらも何で知ってるんだと言わんばかりに睨み上げれば、小牧は困ったように笑って肩を竦める。

「少し前に来たんだけど堂上居なくてね、風呂上りに柴崎さんにあったら笠原さんも戻ってないって言ってたから。」

そうか、とも何とも返せず堂上は咳は収まったがわずかに赤くなった顔を逸らしつつビールを煽る。
ジュエルボックスは開けないと思っているが、最近は色んなことがあったため郁に気をやりすぎているのかもしれないと思うと口を閉ざす。
小牧はそんな堂上に何も言わず、また徐に爆弾を投げ入れる。

「で、今日何かもらった?」
「ぐっ・・・ごほっ、ごほっ、なっ・・・で!!」
「いやぁ・・・俺、丁度笠原さんが子供たちに捕まったときバディだったからさ。」

聞いてたんだよね~とにこやかに言う小牧に、憎たらしさを感じて睨みつければ苦笑を浮かべて肩を竦める。
今回は特にからかうつもりがあったわけではないようで堂上は首を傾げて小牧を見た。

「笠原さんの考えた案は良いと思うんだけどさ、ほら、先輩たちが・・・ね。」
「ああ・・・。相手にしないようにするつもりなんだがな。」

時々大人げない印象すら与える上官たちを思い出し、堂上も苦々しい顔をするがこちらが反応して隙を見せなければ大丈夫だろうと言えば小牧もそうだねと頷いた。
明日になってみなければどう転ぶか判らないため2人の会話はそこで途切れ、しばらく雑談をしてから小牧は部屋へと戻っていった。
堂上はそれを見送って、明日の準備を済ますと箱から貰ったばかりのネクタイを取り出し明日着るスーツと共に置いた。
そしてさあ、寝ようとしたところに小牧からメールが入って慌てて共用ロビーへと出ていくのだが、それはまた別のお話である。

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