龍のほこら 煙草 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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こんにちは!
本日はふっと思いついた小ネタを文章化してみました!!

時期:上官部下期(査問・王子様発覚後)
傾向:若干シリアスチック(ほんのり程度です)

煙草を吸ってみたいと思って1度だけ試したことのある私なのですが、それを思い出した時に郁ちゃんも思ったことがあったらどうかなぁ・・・と思ってのネタです。
煙草ふかす堂上教官はビジュアル的にかっこよすぎました・・・←

では、よろしければ「本編スタート」よりご覧くださいませ。

拍手[93回]





昼休みも半分を過ぎた頃、郁は食事を終えて忘れ物を取りに寮へと向かっているところだった。
図書館の中庭を突っ切って向かっている最中、視界の端に映り込んだソレに気を引かれて足を止めるとその場に屈む。

「あーあ、こんなところに捨ててダメじゃん。子供が拾って食べたりとかないわけじゃないのに。それとも落し物かな?」

郁が拾い上げたのは長方形の箱。
赤と白で彩られたパッケージのソレは煙草で中身も半分ほど残っているのか振るとカタカタとそれなりの手ごたえがあった。

「うーん、でも落ちてた物拾いに来るとかはなさそうだし・・・捨てようかな。」

立ち上がった郁は箱を眺めて悩む。
落し物にするかゴミとするか、悩んでいる時間はないのだが煙草も今は高価になっていると聞くし逡巡しているとふと思い出すことがあった。

「そういえば、私・・・。」
「笠原何してる?」
「え?わっ、教官?!」

思い出したことを無意識に呟きかけた時、背後から声を掛けられて飛び跳ねると慌てて振り返った。
そこには思った通りの仏頂面でむしろ訝しげに郁を見ている直属の上官、堂上が立っていて何もしていないのだが軽く首を竦めてしまう。

「お前、忘れ物取りに行くって出てったのになんでまだここに居るんだ。昼休み終わるぞ?」
「ぅえ?・・・あぁっ!!くぅ・・・・まぁ、いいか。忘れ物もなくても大丈夫だし、たぶん。」

堂上の指摘に自分の腕時計を見て叫んだ郁はどうしようか迷うが忘れた物を思い描いて諦めると堂上の方に身体を向けた。
堂上は振り返った郁の手に収まっている箱を見て眉間の皺を深くする。

「吸うのか・・・・。」
「ふぇ?えっ?!あっ!!ち、違いますよ!!吸わないですっ!!!」
「じゃあ、それはなんだ?」
「そこで落ちてたのを拾って、落し物にするかゴミにするか悩んでました。」

堂上の眉間の皺が深くなったことに何かやらかしただろうかと考え込んでいた郁は、発せられた言葉に一瞬ぼけっとした顔で首を傾げた。
そして堂上の問いかけを噛み砕いて飲み込んだ郁は慌ててぶんぶんと首を大きく横に振って否定すると必死に弁解を試みる。
堂上は郁のそんな様子に吸ってたら解るよなと納得して、そうかと返すと表情を緩めて郁の手から箱を取り上げた。

「で、悩んでたのはそれだけか?」
「え?」

箱を手の上で弄びつつ、堂上は問いかける。
時計をちらりと確認したがまだ十分に間に合う時間がある。
堂上が顎をしゃくって近くのベンチを示すと郁は素直についてきて二人並んで座ると徐に問いかける。
その問い掛けにきょとんとした表情をして郁が首を傾げると、堂上が他に何を考えていたと問いかける。
その問い掛けに、少し考えてから「ああ・・・」と声を漏らすと苦笑しながら堂上の手の中に納まっている箱に視線を落とした。

「大学生の頃、先輩が吸ってるの見かけて聞いたことがあるんですよ。なんで吸ってるんですかって。そしたら、何か変わる気がしたから吸ってみたら止めれなくなったって。それ聞いて、私も吸ったら何か変えれるのかなって思ったことがあったなって思い出して。」

何か変わるはずもないのは解っていたし、吸ってみたいという強烈な想いもなかったので考えるだけですぐに忘れ去ったことだと笑って言う郁に堂上は首を傾げる。
問うようなしぐさに郁は困ったように笑って視線を彷徨わせてから、根負けしたように口を開く。

「その、おう・・・・追いかけたい人を見つけて必死だったけど会った時迷惑がられるんじゃないかって思って迷った時期があって・・・。」

王子様の言葉を堂上が嫌うのを思い出して、言いかけた言葉を違う言葉に言い直して苦い笑いを見せる郁は酷く儚げで堂上は自然と苦い顔をして視線を逸らす。
散々否定している堂上にしてみれば、その手の話は聞きたくないことでしかし問いかけた手前怒るのは違うと思って静かに聞く。

「この道を選んだきっかけですけど、自分が目指したいモノがあると思ってて、でも・・・・追いかけたことがその人にとって嫌な事だったらって。煙草を吸ったらそんな想い全部消してしまえるかなぁって。まぁ、捨てきれないから今ここに居るんですけどね。」

郁とて追いかけることを決めたもののそこに迷いがなかったわけではない。
この世界に飛び込むことを迷うことはなかったが、相手の迷惑になるのではないか、お礼すら言わせて貰えないのではないか、そんな不安が漠然とあってどうしようもなく揺れた日々もある。
そこに不安を解消するかもしれないモノを見て手を伸ばそうかと思ったのも本心だ。
ただ、そこに手を伸ばした時掴もうとした手は視界に入った本が思い出させてくれた温かな手の伝わる優しさに止められた。
そして今目の前に追いかけてきた相手が居る。
郁が正体を知ってしまったことを知らない堂上は郁の話を苦々しい表情で聞き、コメントすることもない。
郁はそれを見て本当に嫌われてないのだろうかと、チクリと心刺す棘に必死に抵抗している。

「・・・・・吸ってみるか?」
「え?」
「煙草、興味があるなら吸ってみるか?」
「何を・・・。」

沈黙が降りて居心地悪くもぞもぞとしていた郁は堂上からぽつりと落とされた言葉に思わず聞き返す。
もう一度言い直されて、何を言い出すんだろうかと問いかけようとしたら堂上が立ちあがって図書館の方を向いた。
手にした煙草は手近なゴミ箱へと投げ入れられて、郁を振り返る。

「今日の業務は定時に上がれよ。夜飯食いに行くぞ。」
「えぇ?!ちょ、教官?!」

いきなりの宣言に郁が目を丸くして叫び声をあげたが堂上は素知らぬ顔で午後の業務に行くぞと郁に声を掛けて歩き出してしまう。
混乱の中その背を追いかけて小走りに午後の業務に向かう。
そして向かい合った午後の業務は堂上からの視線が怖くて必死にこなし、どうにか定時に上がれることになった。
日報を書き終えると堂上に促されて郁はそのまま小料理屋へ連れて行かれる。
その間始終無言の堂上に怒らせたのだろうかと不安になりながらも足を止めれば振り返られるので大人しくついていく。
そして食事をあらかた終えた頃、新品の煙草の箱を取り出した堂上がちょいちょいと郁を手招きする。

「あの?」
「吸ってみたいんだろ?」
「それは・・・でも、吸えないですよ?」
「ふかすだけでも味は解るからな。まぁ、吸わない方が良いもんだが。」

ふかすと言われてよくわからず首を傾げている郁に苦笑しながら、堂上はビニールを開封して一本取り出すと郁に渡す。
しかし、おっかなびっくりな様子で手にしている郁はどうしたら良いのか判らず途方にくれて堂上を見た。

「火の付け方は、ほら、咥えてみろ。」
「えぇ・・・・いやぁ・・・・でも。」
「仕方ないな、ほら、貸せ。」

いざ試せる段になって躊躇してしまった郁は、堂上に促されても咥えることが出来ずに煙草と堂上を交互に見てしまう。
そんな様子が幼い子供の様で可愛いと思ってしまった堂上はクスリと笑うと郁から出した1本を取り上げて人差し指と中指に挟み込んだ。
反対の手で店に置かれているライターを点けると煙草のフィルター部分を咥えながら葉の部分に火を近づける。
郁は堂上のそのしぐさに男性の色気のようなものを感じ真っ赤になりながらも視線が逸らせずまじまじと見てしまう。
軽く息を吸いながら火を点けると、ジジッと言う音と共に煙草から煙が上がる。
深く吸い込まずに口の中に貯めた煙をふぅっと吐き出した堂上は火の点いたタバコを郁に差し出した。

「ほら。一気に吸い込まずに口の中だけで貯めれば味は解るぞ。」
「ふぇ?!や、え、でも・・・!!」
「知りたかったんだろ?」
「それは・・・。」
「一口でガンにはならん。今だけなら許してやる。」

堂上の言葉に絆された郁は恐る恐る堂上の手に収まった煙草を両手で抜き取ると、シャボン玉を作るストローのように持ちながら咥えてみる。
そして息を吸う前にはたと気づいた。

(うわぁぁ~~~っ!!ちょ、これ間接キスってやつなんじゃっ!!!!)

内心で絶叫し、見る間に顔が赤くなっていくのを止められなかったが堂上が不思議そうに首を傾げているためにその内心を零すことは出来ずぎゅっと目を瞑った。
郁は堂上の視線から逃れるためにテンパったままの勢いで息を吸い込んでしまい、口から気管支を通って肺に入ってくる煙にげほっと盛大にむせた。

「あっ、こらっ!!だから勢いよく吸うなって最初に言っただろうがっ!!」
「げほっ、ごほっ、ごめっ・・・げほげほっ」
「あー、あー、ったく、ほら、こっち寄越せ。大丈夫か?」

郁がむせながらも落とさない様に必死に持ってた煙草を取り上げると、烏龍茶を手渡しながら背中を擦ってくれる堂上に涙目で謝罪を口にしようとするも咳に邪魔をされて言えない。
郁はどうにか咳が落ち着いた頃烏龍茶を一気に飲み干して一心地着いてから改めて堂上を見た。
堂上は火の点いたままの煙草を手に軽くふかしていたが、嫌そうな顔をすると煙草を灰皿に押し付けて火を消した。

「大丈夫か?」
「あ、はい!すみませんでした・・・!!」
「いや、初めては皆やるんだよ。まぁ、味は解っただろ?」
「はい・・・凄い辛くて苦くて烏龍茶飲んでも消えません。」

おまけにむせて散々だとしゅんとした郁に、堂上は微笑んでいつものように頭にぽんっと手を置くとくしゃりと頭を撫でた。
それを受けて上目遣いになりつつ僅かに顔を上げた郁に、ほれとメニューが差し出される。
開かれているページはデザートのページで、問うように見つめれば好きなの頼めと言われて持たされた。
その中からゆずのシャーベットを選ぶと堂上が店員を呼んで2つ頼み、メニューを片付ける。
郁はそんな堂上を見ながら、ふと疑問に思って口を開いた。

「教官、慣れてる感じでしたよね。吸ってたことあるんですか?」
「ん?あー・・・・まぁ、一時期少しだけな。身体損なうし、持久力も落ちるからすぐ止めたが。」
「そうなんですか・・・でも、嫌そうな顔してましたよね?」
「ああ、好きじゃないからな。」

好きじゃないのに吸うほどの何かがあったのかと理解して、郁はそれ以上何も言えなくなって押し黙る。
すると堂上が手を伸ばしてきて頭に乗せるとくしゃくしゃっと髪をかき混ぜてきた。
郁はうひゃっと色気のない悲鳴を上げて撫でられつつ、やーめーてーと騒ぐ。

「俺もお前と一緒だよ。何か変わるかと思ったんだ。まぁ、変わらなかったけどな。」
「そうですか。」
「簡単に変わるならいろんなことが楽なんだがな。」

ぽんぽんと撫でた手が離れると丁度よくシャーベットが届けられて、珍しく堂上も一緒に食べていたのでこれも口直しなんだろうと気にせず食べた。
そして帰り道、お酒を入れなかった郁は堂上と並んで歩いている最中に声を掛けられた。

「お前は・・・ここに来たことを後悔したのか?」
「は・・・?何言ってるんですか!後悔なんてするわけありません!!そりゃ、色々違ったこともありますけど・・・。でも、守りたいモノはここにありますから。」
「そうか。」
「そうです!それに、教官を追い抜くまでは辞めません!!」
「定年過ぎてもやめないつもりか、お前は。」
「もぅ!!それまでには追い付いてやりますからっ!!」
「ああ、励め。」

くくっと笑った堂上はまた郁の頭を撫でていくのを受けつつ、むぅっと拗ねたように口を尖らせると宥めるように頭を跳ねて離れていく手。
郁はまだ自分の気持ちがつかみ切れていないが、今はこの関係が心地良くずっと続くと良いと思いながら堂上と2人、のんびりと寮へと戻った。
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