龍のほこら RTされたらお題をやる系お題5 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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おはようございます!
昨夜は会社にiPadを忘れ、今朝は朝食を食いっぱぐれつつも飼い猫で目の調子が悪い子が居るので母に代わって目薬をさしておりました。
簡単だと思うんですが、母だと上手く出来ないらしくこれ見よがしに猫を窘めてる母の声が聞こえて見かねてやったんですがなんで出来ないんだろう?
大人しく顔向けてやらせてくれるんですが・・・まぁ、落ちてくる瞬間は目に入るのが怖いらしく暴れますがそれは子供も一緒ですよね(笑)

そんなこんなで、本日はRTされたらやるお題のストックより1本公開です。


指定された時間内に指定された数だけリツイートされたらそのお題に沿った創作をしましょう。という系統のツイッター診断で出たお題にて書いた小ネタ。

※診断の性質上、ほとんどの作品がパラレル設定となっております。

>掲載お題<
◆あなたは5時間以内に12RTされたら、二人とも高校生の設定でお見合いで出逢うところから始まる堂上×郁の、漫画または小説を書きます。

よろしければ「お題ネタを見る」よりご覧くださいませ。


拍手[92回]





郁はホテルの庭の人気がなさそうなひっそりとした場所に身を潜め、辺りを伺うようにして息を殺していた。
笠原郁、彼女は笠原産業の一人娘で今日、希望の高校の入学を終えて折角だからと両親に誘われてホテルのレストランに食事に来たはずだった。
しかし通されたのはレストランの個室ではなくホテルの一室。
スタッフが扉を開けてくれた奥に視線を向けた郁は何も聞かされていない状態で目の前に広がった景色に目を疑い、何かを言いかけた母親の手を振り払ってそこから脱走した。
そして、両親から指示されて郁を探しているだろう兄たちから逃げ隠れるため庭の奥の奥へと入り込み狭い隙間へと身体を押し込めて隠れているという状態であった。

「なんで・・・・せめて最初から言ってくれるとかすればいいのによりによってだまし討ちなんて。」

大企業の社長を務める者の一人娘である。
自由気ままに育てられはしたが、いずれ何かあれば自分は決められた相手に嫁ぐことはある程度自覚していた。
だからと言って、見合いをだまし討ちで仕組まれてはいそうですかとすぐに切り替えられるほど大人ではない自覚もあった。

「・・・・・私の事なんでどうでもいいってことじゃない。」

常日頃から、特に母親は郁に女らしくを強要してきた。
自分が可愛くないことは知っているし、母親と趣味が違うことはとっくの昔に気付いてる。
しかし、母親は郁の趣味が違うということを解ってくれず自分の好みばかりを郁に押し付けて郁が笑いものにされるのを郁が女の子らしくないからと嘆くのだ。

「私だって・・・・。」

私だって、母親の様に背が小さければもう少しは可愛げがあったのかもしれないと思えば色んなことが重なって泣きたくもないのに涙が浮かんできて嗚咽を堪えるように歯を噛み締めた。
と、不意に自分の頭上に影が出来て何事かと顔を上げると名門校の制服を着た自分と同じ年頃の男の子が訝しげな表情をして目の前に立っていた。

「おい、何やってんだ。」
「何って・・・。」

顔を上げ、視線が合うと涙目だったのか既に泣き顔だったのか訝しげにしていた男の子の表情が困惑と戸惑いに変わる。
声を掛けられて返事を返そうと口を開いたが、見合いから逃げていますなどと答えられるはずもなく情けない表情を浮かべて郁は黙り込む。
俯いてしまうと男の子の足元しか見えず、自分が何をやっているのかと情けなくなってきてぎゅっと身体を縮ませた。

「はぁ・・・あんただろ、笠原郁って。」
「え?」
「さっき、目の前で逃げ出してくれた俺の見合い相手。」

顔を俯かせた郁をどう思ったのか、男の子が頭上でため息を零した。
そして立ち去るのかと思えば、予想外に名前を告げられて驚きに勢いよく顔を上げると皮肉な笑みを浮かべて揶揄ってくる男の子にカッとなる。

「断るにしても、逃げずにその場で言えば良いだろうが。」
「そっ・・・なのっ!!何も聞かされずにただ食事するからって連れてこられて判るわけないでしょっ?!」

嫌味を含んだ声で言われた文句に腹が立って、怒りからか何からか判らない涙を抑えることも出来ず泣きながら叫べば今度は男の子の方が驚いたような表情で郁を見返した。
郁はそのままキツク男の子を睨みつけるとこぼれそうになる嗚咽を噛み締めて堪えていれば、ぽんっと大きな何かが頭に乗って郁は何事かと頭を上げた。
もう堪えきれなかった涙は次々と溢れて幾筋も頬を伝い流れ落ちていくのを温かい何かが拭っていく。
涙で歪んだ世界には男の子の顔すらはっきりと認識できなくて、優しい仕草に堪えていた嗚咽すら零れ始める。

「悪かった、知らないとは思ってなくて嫌味を言った。説明なしであんな席来るとは思わなかったんだ。」
「わっ・・・私っ・・・。」
「嫌だったのか?」

本格的に泣き始めた郁に、男の子が優しく頭を撫でて謝罪をしてくる。
郁にはそれがなんだか申し訳なく、恥ずかしくもなって、自分も失礼なことをしたのを思い返して謝罪を口にしようとする。
しかし、嗚咽が邪魔をしてそれが出来ないでいれば男の子から問いかけられた。
その問い掛けに首を横に振ることで答えれば、ほっとしたような吐息が聞こえて郁は目を瞬かせる。

「嫌じゃないなら、日を改めて見合い、受けてくれないか?」
「え?」
「もう一度、改めてちゃんと会いたいと思った。」
「な・・・んで?」
「まっすぐだから・・・だろうな。」

失礼をしたのにもう一度と言われ郁は混乱する。
しかも見合い相手である本人に直接だから、尚のこと訳が分からないと驚きすぎて止まった涙にも気づかず男の子を見た。
なんで?と口からこぼれたのは無意識で、しかしはっきりと返ってきた言葉にぽかんとする郁。

「お前、間抜け面・・・。」
「なっ?!失礼なっ!!ほっといてよっ!!」
「くくっ・・・悪い、ほら、機嫌直せよ。とりあえず、戻ろう。」
「もうっ!!そういえば、私名前聞いてない。」
「堂上・・・堂上篤だ。」

ぽかんとした表情を見てぼそりと落とされた一言に、反射的に噛みついた郁を怒りもせず逆に笑い出しながら手を差し出す男の子に頬を膨らませて郁は拗ねる。
手を睨みながらつんと横を向けばさっき泣き出した時と同じように頭を撫でる手に何故か安心を覚えて、拗ねた機嫌もすぐに直ってしまいポーズだけで再度差し出された手を取って立ち上がる。
歩き出しながら、思い出したように名前を問いかけた郁に返事をした男の子、堂上は次は逃げるなよと言いながら郁を両親の元に送り届けフォローをしてくれた。

それから1か月後、もう一度行われた見合いで改めて出会った二人が恋に落ちるのは既に決められた道筋なのかもしれない。
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