龍のほこら I kiss hair 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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こんにちは!
昨日は更新をサボタージュしておりました、龍春です。
本日は短編です。
原作の隙間的な何かですが、色々ネタバレしているかと思われます。

文庫版の原作未読の方はネタバレおっけーな方のみご覧くださいませ。

時期:上官部下期(戦争完結直後くらい想定)
ネタバレ:ジュエルボックス

それでは、よろしければ「本編スタート」よりご覧くださいませ。

※ タイトルおかしいなぁ・・・?とか思ってたら、案の定間違ってましたww
   ってことで、直しました!!!すみません>x<; (2014-05-21 追記)

拍手[67回]





郁の両親による図書館訪問が無事に終わり、特殊部隊の隊員たちはそれを口実に祝杯だと宴会を開いた。
当然ながら、その調整に駆り出され料理などの給仕に追われた堂上班は祝杯を楽しむ間もなく一次会はお開きとなった。
郁は玄田と進藤に捕まり抵抗むなしく酒を飲まされて寝落ち、いつも通りに堂上が郁を背負い二次会に向かう面々を小牧と手塚に任せて寮へと返っている最中だった。

「んっ・・・・。」
「笠原?」

起こさない様に、無意識にゆっくりと歩いていた堂上は背中で聞こえた声に声を掛ける。
しかし、寝言だったのか返事は帰らずもぞもぞと寝やすい位置を探してか動くとそのまま大人しくなった。
今日はまだ寝言を言い始めていない郁に、堂上は物足りないようなほっとするような複雑な心地を味わいながら道を歩く。
今日の店は急だったこともあり近場が抑えられず少しだけ基地よりも遠い場所だった。
戦闘職種である人間たちには徒歩も苦にならないような距離ではあるが、普段より時間がかかる。
途中で起きたなら歩かせようかと考えているところで、中間地点にある公園に差し掛かり堂上は一度休憩することにしてそこに入り込んだ。
決して寝言が聞こえないことに寂しさを感じたからではない。
郁をベンチにそっと下してから、堂上は近くにある自販機で水を2本購入して郁の隣に座る。
もう残暑も抜け夜になれば冬の寒さを予感させるような冷たさを伴っている季節で、堂上が横に座ると郁が無意識に擦り寄ってきた。

「お・・・じ、さま・・・・。」
「・・・・。」
「おうじさま・・・・。」

起きるかとその様子を見守っていると、郁の口からいつもの寝言が零れ落ちた。
その言葉に堂上の心がどうしようもなく締め付けられる。
5年前、その凛とした背中にどうしようもなく惹かれ後先を顧みず行使した見計らいは当初は堂上の経歴に傷を付ける物であり多大なものを失う原因でもあった。
それでも厳しい査問の中で堂上を支えたのは無垢な魂とも呼べそうな凛とした背中、純粋な想い、自分が間違っていると思うことには決して屈しない強い意志、それを見せつけた少女の背中だった。
そして、見計らいを執行したことを後悔するかと問われれば、後悔はしないと今でもはっきりと断言できる。
同時になぜ追いかけてきた!と、郁を責めたい衝動に駆られることも度々で未だに心を整理することも出来ない自分はどうしたら良いのかとため息も出る。

「ど・・・じょ、きょー・・・か・・・。」
「・・・。」
「きょー・・・か、お・・・てか・・・・いで。」
「アホウ・・・置いてけるか。」

小田原の抗戦の時、置いていったことを後悔した。
傷つけたくないという自分の我儘で基地に残し、そうするために投げつけた言葉が結果として郁を一番危険な場所へと追いやっていた。
自分の知らぬ場所で、知らぬ輩に、何をされたかも分からないのに、それでも信用するに足る物を見せるために自分が出来る精一杯をするために自らその場所へと飛び込んだ郁。
涙に震える声で置いていかないでと呟かれ思わず返事をしてしまった堂上は、擦り寄った郁がいつの間にか自分の服の裾を握りこんでいることに気付いて目を瞠る。

「お前、いつの間に・・・。」
「きょーかん・・よか・・・た・・・。」

きゅっと握りこまれる服の裾が自分の一部の様で、心臓を鷲掴みにされたような心地を味わう。
厳重に鍵をかけて、胸の奥深くに仕舞い込んだはずのジュエルボックスがいつの間にか表層に現れてカタカタと音を立てて揺れ始める。
堂上はそのことに気付いて深く呼吸をするともう一度鍵が開いていないことを確認して奥深くへと沈めるよう努力する。
その間にも服を離さずにいる郁に、堂上は胸の奥がざわついてくる。
顔を覗き込めば、眉間に皺を寄せて唸りながら『王子様』ではなく自分の名前を呼び剰え目じりに涙を浮かべていた。
堂上は、郁の目じりに浮かんだ涙がポロリと1粒零れたのを見た時一際大きく音を立てて沈めようとしていたジュエルボックスが揺れるのを感じた。
次の瞬間、堂上が感じたのは柔らかで甘い香りが鼻孔を擽る感覚と唇を擽る郁の柔らかい髪の感触。

「・・・・っ?!な・・・にを・・・。くそっ・・・!」
「んっ・・・きょーかん・・・。」

気付いて慌てて離れると、郁の苦しそうな表情が穏やかなものへと変わって寝言は小さくなり呼吸が深くなっていた。
完全に寝入ったらしい郁を見て全身に走った緊張を解しながらがっくりと肩を落とした。
郁の泣き顔は苦手だと思うが、衝動で何をやらかしたのかと思いジュエルボックスを確認すると鍵は閉まったままだった。
そのことに僅かばかり安心しながら、また1つ鍵を取り付けて心の奥深くに仕舞い込むと買ってあった未開封の水を一本開封して勢いよく飲み干す。
誘われるような甘い香りと柔らかな感触、寄りかかる郁の肢体の女性らしい柔らかさすら気になり始めて頭を振るとペットボトルを片付けて郁を背負い直すと寮への道を足早に歩く。
寮に辿り着き共用ロビーで待ち合わせた柴崎に何かありました?と聞かれたが知らぬ存ぜぬを通して郁を部屋へと送り届ける。
そうして自室に入ってドアに背を預けるとずるずるとその場に座り込む。

「勘弁しろ・・・。」

未だに残る甘い香りと柔らかな髪の感触に、今日の夢見はいつも以上によくないだろうと大きなため息を吐きながら堂上は部屋着に着替えてベッドへと入った。
未だ認めることが出来ず己の内にあるその想いに知らず促されてした行動。
髪に口づけたその意味は恋焦がれる者への慕情だと、どこかの本に書いてあるのだが。
その慕情を認めるまで、認めて手に入れるまで、まだ先は長いというのは本人すら預かり知らぬところである。
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