龍のほこら I kiss a forehead 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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おはようございます!!
昨日に引き続いたキスネタで小話投稿です。

一応、昨日投稿の「I kiss hair」の続き的な雰囲気で始めていますが非常に短いです。
今回の主役?は柴崎です。

そのうちある程度溜まったらシリーズとして引っこ抜きますが、ひとまずは短編にて。
よろしければご覧くださいませ。

時期:戦争完結直後くらい
CP:柴崎+郁(友情です!)

「本編スタート」よりどうぞ。

拍手[55回]





「あーあ・・・・気持ちよさそうに寝ちゃって、まぁ・・・。」

パタンと閉まった扉を背にして柴崎が郁の寝るベッドを覗き込むと猫のように丸まってすよすよと幸せそうに眠る郁の姿。
先ほど、堂上から連絡があり飲み会で寝落ちた郁を部屋に運び込んでもらい女子寮の出口まで送ってきたところだ。
戻ってきて自分も寝ようと思った所に郁の姿が目に入りちゃんとカーテンをしていなかったなと歩み寄った柴崎はその寝顔を見て苦笑を浮かべた。
普段の様に自分を作っていない、本当の笑みを零すのはごくまれだが何かとこの同室の彼女には素を見せているなと思う。
入隊してもうすぐ1年が経つが入寮した当初は同室といかに距離を置き当たり障りのない生活をするかを真剣に考えていた。
女は怖い。それが柴崎の今までの経験則による結論だった。
その容姿故にどれだけ気を付けていてもちょっとした隙に妬まれ、嫌悪され、蔑まされる。
そんなことを繰り返して柴崎は自分を守るための鎧を身に着けることを覚えた。
笑顔を作り、情報を集め、それに基づいて自分が安全な場所へ、誰より優位な場所へと立てるように。
しかし、この同室の笠原郁という女性は今までの女たちとはまるで違っていた。
出会った時から嘘偽りのない、裏表のない真っ直ぐな感情と言葉を柴崎に投げかけて来ていた。
決して押し付けがましいわけではなく、自然とその間合いの取り方を知っている風で踏み込んで良い所と悪い所の見分けは完璧だった。
そして気付けば柴崎の一番奥深い懐へと入り込んでいて、まだ1年目だと言うのに柴崎にはもうこの可愛い女性を切るということが出来ないところまで受け入れてしまっていた。
本気で喧嘩をすることも出来る友人など今まで持ったこともなかった。
憧れたあの人が目に入れても痛くない程に可愛がっている、純粋で清廉なお姫様。

「あんたたちは一体いつになったら引っ付くのかしらね?」

小田原の抗争、指令の誘拐、そこに自らついて行った郁。
自分の居場所を教えるために若干の危険と引き換えに自分を指名してきた郁は、どれほどに自分に信頼を置いているのかと苦笑が滲む。
裏切るかもしれない、裏切られるかもしれない、そんなものは全く念頭にないのだろう委ねられた信頼はとても心地よく柴崎の冷めきっていた心を癒して満たしていく。

「ほんと、天然人タラシなんだから・・・あんた、あの人とそっくりよ。」

自分が憧れた人も公正に、公平に、人の容姿ではなく中身を推し量り見てくれる人だ。
その人が心に大切に囲っているのは目の前の自分は可愛くないと言い張っているがとても女の子らしく可愛い女性。
お互いにまだ惹かれていることを認められずに反発しているけれど、決して寄り添っていないわけではなくて。
その姿がとても眩しくて、冗談のような告白で早々に自分の中に芽生えていた恋の芽を摘み取った。
この子には敵う訳がないと最初から解っていた気がするのだ。
自分のダメな部分をそれで終わらせず改善しようとする姿も、風を切って真っ直ぐに走る姿も、自分に屈託のない笑みを見せる姿も、何もかもが眩しく愛おしい。

「いつの間にか、あの人よりもあんたの方が大事になってるんですもの。競う気にもなれないじゃない?」

自分を卑下する郁を見て、そんなことないのにと思うけれどその声は頑ななまでに閉ざされた心には届かない。
不思議に思っていたけれど理由は先日の郁の両親と会ったことで解けた。
父親の方は解らないが、少なくとも母親は典型的な思考を持っているように感じた。
心配は、しているのだと思う。少なくとも、郁が思っている様に嫌われていたりとかはないと思う。
だからと言って郁自身を見ているかどうかと言えば、きっと見えていないのだろうと思うが少なくとも柴崎が関与することではない。
ただ、堂上に対して父親が何かしら動いたらしいという情報は掴んでいるので悪いようには転ばないだろうとも思った。
そのことに安堵した自分を不思議に思いながら、けれど不快ではなく心地よい温かさを感じて柔らかい笑みが柴崎の口元に乗った。

「ほんとに、天然人タラシよね、あんたも、あの人も。おやすみ、笠原。」

少しだけベッドに乗り出して、柴崎は額に唇を寄せた。
キスの格言で額は祝福と友情。
郁に出会えたことに感謝を、この先も続くように祝福を、たがえようのない友情を本人には言わないけれど大切にしてみたいと思った初めての相手。
掠める程度の口づけに顔を上げれば、郁の表情が先ほど見ていたものより柔らかくその口元には笑みが深く刻まれた気がして柴崎は嬉しくなるとそのまま掛け布団を直して自分のベッドへと入る。
今日の夢見は悪くなさそうだ、そう思いながらゆっくりと目を閉じた。
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