龍のほこら I kiss eyelids 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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こんにちは!
本日はまた原作隙間小説となります、キスの格言より「瞼:憧憬」です。
ちなみに、ここまでのキスの格言は「髪:思慕」「額:祝福、友情」です。
お題配布サイトさんで配布されているところからではなく、ツイッターで流れてきたキスの日にちなんだツイートを見てます。
半分くらいまで到達出来たらシリーズとしてカテゴリー分けすることにします。

ちなみに、原作隙間でさらに時系列順にやっていく予定です。
内容によりカップリングが堂郁以外になりますのであらかじめ宣言しておきますね!

では、よろしければ「本編スタート」よりご覧くださいませ。


時期:原作戦争終了後の12月
傾向:ほのぼの、可愛い系
カップリングはなし、堂上は出てこず、郁とオリキャラがメインのお話になります。
恋愛要素は一切なしです。

拍手[55回]





クリスマスも間近の12月下旬、郁は小牧とバディで館内警備に当たっていた。
図書館のエントランス付近に辿り着いた時、小さな足音と共に郁を呼ぶ声がロビーに響く。

「郁ちゃ~ん!!」

ぽすっと小さな音を立てて郁の足に抱き着いたのはまだ腰ほどの身長になるかならないか程の小さな少女。
足を止めた郁を満面の笑みで見上げて「郁ちゃん」ともう一度名前を呼んだ。
この少女は先日の窃盗犯との捕り物で階段の上から突き落とされそうになったところを郁に受け止められて事なきを得た少女である。
名前は有希ちゃんと言い、落ちる際助けてくれただけでなく落ち着くまでずっと傍に居て大丈夫と抱きしめてくれていたその腕の温かさに絆されたようで郁がお気に入りの館員となっているようだった。

「有希ちゃん、図書館は走ったらダメだよ?」

郁が有希を認めてすぐ、視線を合わせるように屈んでくれるその無意識の気遣いが有希には嬉しくにこにことした笑顔は崩れることはない。
実はまだあまり知られていないが、郁は子供の扱いがとても上手いのだが今のところその事実を知るのは小牧と同室の魔女ならぬ柴崎だけだと思われる。
郁は誰にでも対等に、たとえそれが小さな子供でも決しておろそかにせず丁寧に対応している。
館内警備の時の時折にしか見られない風景で、バディが小牧の時にしか現れないそれをたぶん手塚も堂上もまだ知らない。

「はーい、ごめんなさい。あのね、郁ちゃんにお願いがあるの。」
「なあに?」

屈んですぐ、小牧に視線を向けてロスタイムの許可を無言で仰いだ郁に小牧は有希がいつも数分もかからないで郁と別れることを知っていたので頷いて答えた。
それを受けて郁が有希のお願いとやらを訪ねると、目を瞑ってほしいと告げてきた。
2人ともが一体どんなお願いなのかと不思議に首を傾げるが、早く!と急かす幼子に苦笑しながら困るような悪戯はしないだろうと信用して郁は大人しく目を閉じる。
待つこと数秒、ちゅっと可愛らしい音と共に瞼に何かが触れるのを感じて郁はん?と首を傾げる。

「えへへ・・・・あのね、ママが教えてくれたの。瞼にちゅぅするのは憧れなんだって。」
「そうなんだ。」
「うん!私、郁ちゃんみたいにかっこいいお姉さんになりたいの!!ママが、郁ちゃんは有希の憧れの人なのねって!!」
「そっかぁ・・・嬉しいな。ありがとう。」
「どういたしまして!」

目を開けても良いよという声に目を開けた郁に、有希が先ほどの感触の正体を教えてくれる。
どうやら、物語中に出てきたキスの表現に子供特有のなんで?攻撃を受けた有希の母親がキスの格言を調べて答えるのに使ったらしい。
とは、後日聞かされたのだが郁は憧れだと言われたその言葉がくすぐったくてはにかんだ笑みを浮かべると有希の頭を優しく撫でてやる。

「郁ちゃん、お仕事邪魔してごめんね?有希のお願い聞いてくれてありがとう!」
「どういたしまして。じゃあ、お仕事戻るからママとご本読んで楽しんでってね?」
「うん!」

少し離れた所で苦笑しながら有希を待っていたらしい母親に会釈をしながら有希を送り出すと、郁は立ち上がって小牧の元へと戻る。
振り返ってすぐ目に入ったのは業務中に携帯を弄っている小牧の姿。
珍しい・・・と思って近づく頃にはさっと携帯を閉まってしまったが、小牧の表情はとてもにこやかで上機嫌なのが見て取れた。

「なんか良いことありました?」
「ん?いやぁ・・・可愛いもの見せて貰ったから。」
「へ?」
「笠原さんは気にしないで。さ、ロスタイムもこれ以上かかっちゃうと班長に怒られちゃうから再開しようか。」
「あ、はい!お待たせしてすみませんでした!!」

訳が分からない。ときょとん顔を見せた郁ににっこりとほほ笑んで、さっと話題の方向を転換させた小牧に促されて郁は疑問をどこかへと置き忘れ業務へと戻った。
そんな単純な様子も可愛いねぇ・・・などと笑いながら小牧も業務に戻る。
夜、堂上の携帯が鳴って決定的な瞬間が写った写真が届くのと同時に柴崎にもソレが届いて片や飲みかけのビールを吹き出し、もう1人はその写真の人物の一人にあんた可愛すぎ!!と飛びついたのはもちろん、小牧の仕掛けた悪戯である。


小牧が取った写真、それは優しい表情で微笑んだまま目を閉じた郁の瞼に幼い女の子がキスをする微笑ましくも可愛らしい写真だったのだが
その写真が本人の目にさらされることはまだまだ当分先の話となりそうだった。
そんな一幕。
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