龍のほこら I kiss cheeks 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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こんばんは!!
そろそろシリーズとして抜粋しても良いんじゃないかと思いつつ、キスの格言からの連想で短編です。
本日の部位は「頬」意味は「親愛・厚意・満足感」です。
まだまだ発展途上な堂郁ですが、今回は堂上班で小牧が悪戯を仕掛けますよ~♪
よろしければ、「本編スタート」よりご覧くださいませ。

時期:上官部下期(原作:内乱・小牧奪還後)
傾向:ほのぼの?
CP:なし、堂上班


拍手[53回]





その日、郁と手塚は少し遅くなった新年会を兼ねた同期会だと言って定時に上がっていった。
同日にタスクフォースでの飲み会がセッティングされたのは偶然ではなく意図的で、郁は同期会では飲まずにやり過ごしてタスクフォースの飲み会に出るんだと頑張っていた。
手塚としても郁が寝ると面倒だという頭があるのかそれを応援する形で一緒に抜けてくると言い、2人はじゃれ合いながら同期会へと向かっていった。
そんな2人を複雑そうな表情で見送る直属の上官1名と上戸に入りながら見送ったもう1名も書類をあらかた片付けると飲み会の会場へと向かう。

「よー!堂上、小牧、遅かったな!!」
「遅かったじゃないですよ!!人に書類丸投げしといて先に宴会しとらんでください!!」
「いいじゃねぇか、んな堅っ苦しいこというな!ほら、飲め!!」

後からやってきた堂上と小牧に、既に酔っぱらい始めて陽気になったおっさんらタスクフォースの隊員たちが寄ってたかって酒を飲ませ始める。
そうして小一時間もした頃、タスクフォースが借りている座敷のふすまをトントンとノックする音が聞こえた。

「遅くなりました!手塚、笠原合流します!」

そこそこ飲んでいるのか、生真面目な割にあまり言わないようなことを言って部屋に入ってきたのは手塚と笠原だった。
笠原の方はにこにこと上機嫌だが酒は入っていないのか特に眠そうでも酔った雰囲気も見えない。
それに安堵して堂上は自分と小牧が居るテーブルへと手招きして呼び寄せる。
もちろん、堂上のその呼び出すしぐさに先に気付いたのは郁で、手塚をつついて堂上たちの方を示しながら何やら話してから歩いてくる。

「お疲れ様です。」
「ああ、お疲れ。」
「お疲れ様。同期会は楽しかった?」
「「はい!」」

テーブルにつきながら、郁が声を掛けると堂上と小牧から返事が返ってくる。
先にあった同期会の様子をさりげなく聞いてくるのをにこにこと機嫌よく面白おかしく話し出す郁。
どうやら酒を飲まなかったようで素面の郁はそれでも久しぶりの同期たちとの飲み会が楽しかったらしく上機嫌だ。
ふっと、小牧が何か悪戯を思いついた顔で立ち上がった。
そして堂上の隣、郁とは反対の位置に座ると再び話に混じり始める。
丁度先輩たちが怒涛のごとく手塚と郁の周囲に集まってきていて小牧の居場所が狭くなっていたせいもあり、その位置変えに郁も手塚も疑問にも思わなかった。
それからまた数十分、すっかりと出来上がった小牧はいよいよ思いついた悪戯を実行しようかとにやりと笑う。

「ねぇ、笠原さんってキスの格言って知ってる?」
「ふぇ・・・?えーっと、うーんっと・・・・キスする場所に意味があるって奴ですよね?どこがどうって覚えてないですけど。」
「そうそう、それ。」
「それがどうかしたんですかぁ?」

堂上が牽制したおかげで未だほろ酔いの郁だが、弱いだけあって思考はかなり低下している。
小牧はそれを確認するためにそんな問いかけをしたのだが、案の定間延びした返事が返ってきてほくそ笑む。

「そっかぁ・・・じゃあさ、意味があるとするじゃない?今、目の前の手塚にキスするならどこなら許せる?」
「ぅ・・・・?手塚ぁ~???うーん・・・・うー・・・・・・・むりれすっ!!手塚になんてむりっ!!」
「ぷっ・・・・じゃあさ、俺は?」
「え・・・・?こまききょーかんれすかぁ?こまききょーかんかぁ・・・・・うーん・・・・まりえちゃんいるんらかられきませんよぅ。」

順番に聞いている小牧も実はほろ酔いだ。
堂上は郁に質問している小牧を止めようとしているが、そこは魔王・・・いや、長年バディを務めている親友、ひょいひょいと躱して質問を続けている。

「じゃあさ、堂上だったら?」
「・・・・・きょーかん?」
「そう、堂上にだったらどっか出来る場所ある?」
「きょーかんかぁ・・・・うーん、ほっぺたとか、おでことかならいいですかねぇ?ねぇ、きょーかん?」

堂上には?と問われてじぃっと隣に座る堂上を見つめた郁は、その視線や表情で堂上が固まったことには気付かない。
ほんのりと桜色に染まった頬、酒で潤んだ瞳、紅い健康的な唇は僅かに開いていて、酔った表情は艶やかで美味しそうな・・・・と、そこまで考えてぶんぶんと頭を振る。
それだけで小牧には堂上が何を考えたか解って、くくっと笑いながら堂上の肩に手を掛けて僅かに身を乗り出す。
そして、それは狙っていた通りに郁から返された。

「こまききょーかんはどうなんですかぁ?」
「やめろ!気持ち悪い!!」
「なんですかぁー!別にたとえで本当にするわけじゃないんれすから、いいじゃないれすかぁ!」
「そうだよねぇ、別にいいよねぇ。ああ、そうか、堂上は実際にやってほしいんだ。」
「何言ってっ?!」

好奇心を乗せた瞳で小牧を見つめ、郁が返したのは同じ質問。
つまり、小牧だったら堂上班のみんなのどこだったらキスが出来るか。
もちろん男が男にキスするなんて実際にやれと言われても遠慮したい行為だとは思うが、キスの格言とはその場所にすることで意味があるわけである。
小牧と言う男の雑学の知識は幅広く、また彼女の毬江の為に女性が好む作品にも手を出していることもあり女性向けの話題にも軽く乗れるほどである。
性格や雰囲気も相まって郁にとっては良い相談相手であることは間違いない。
もちろん、一番は柴崎だが報酬とからかいが待っていると思うと相談するのに困ることも偶にはあるのだ、たまには。
そんなことを思いながら堂上の抵抗をものともせず小牧に尋ねた郁は、しかし目の前で起こった出来事にその質問返しを後悔することになった。

「んー・・・・・笠原さんだったらやっぱり額かなぁ?ああ、あとは時々指先だね。手の甲もありかな?手塚はちょっと想像できないけど、堂上はねぇ・・・額と・・・ここ。」

僅かに考えるそぶりを見せた小牧がいつもの温和な笑みを浮かべながらつらつらと答えるのを聞きながら、どんな意味があるのかなぁと思っていた郁は最後の小牧の行動に目を真ん丸に見開くと硬直する。
小牧がここ、とちゅっという可愛らしい音と共に最後に行動で示したのは頬。
キスの格言では「親愛」という意味で、海外では挨拶でするキスでよくされる部位ではあるがまさかの小牧の行動にその場で見ていた全員が固まった。
もちろん、された堂上自身は動くことも出来ずに若干顔が青ざめても見える。

「お・・・・っまえ・・・・」
「ふふふ、ちょーっと刺激が強すぎたかなぁ?ほら、王子様。笠原さん気絶しちゃったみたいだから連れて帰ってあげて。」
「アホか貴様ーーっ!!!!!」
「あはははは、でも本心だからね。良いじゃない、海外じゃ挨拶だよ、挨拶!」
「ふざけんなっ!!!こらっ!逃げるな小牧ーーっ!!!」

余りの衝撃に酔いが一気に回ったらしい郁が倒れ掛かってきて、その隙に逃げ出した小牧を捕まえることも出来ない堂上は怒声を上げる。
そのやりとりに一気に解凍されたタスクフォースの面々がやんやの喝采と共に堂上をからかい倒し、堂上が早々に郁を背負って逃げ出すのもきっといつものこと。
小牧はそんな堂上を見送って満足げに笑みを浮かべると席に戻って酒を飲み始める。
今日は二次会までは参加する予定で会費も払い済みであるため、飲み残すなんてもったいないことはしない。
郁は額や頬ならと言っていた、犬猿の仲から考えればかなりの進歩だがキスの格言など興味のない堂上はまだまだ気付かないだろうが大分懐かれ始めたなぁ・・・と、しみじみ思う。
そうして目の前に座って真っ白になっている呆然自失の手塚にクツクツと笑いながら声を掛けた。

「ねぇ、手塚だったら笠原さんと柴崎さんにどこだったらキスできる?」
「は・・・?え?なっ?!何をっ!!」
「だから、キスだよ、キス。」
「そ、そんなのできるわけっ!!!」
「実際にしろって言ってないじゃない、ほら・・・。」
「っ・・・じ、自分は2人とも手の甲か指先ならギリギリ・・・です。」

追い詰められて逃げようもなく、何とか答えを返すとぐいっと酒を飲みほしてダンッと机にグラスを置いた。
明日は堂上班は公休日だから潰れても問題はなく、二次会までなら連れ帰ってやるかなどと考えながらそれ以上は突かずに良い気分で自分の酒を楽しみ始めた。
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