龍のほこら 仕切り直し 忍者ブログ

龍のほこら

図書館戦争の二次創作を置いている場所になります。 二次創作、同人などの言葉に嫌悪を覚える方はご遠慮ください。

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こんばんは!ここ数日毎日更新出来てる、私!!!
と、喜んでますがいつまで続くか判らない状況だったりします、うん……。

えと、本日は昨年中にアンケート取りました続きを読みたいRTお題で上位2位内に入った作品のもう1本を更新です。
高校生の2人がお見合いの仕切り直しをするお話となります。
正直、お見合いシーンはないです、ハイ。
しかしお前ら付き合うんだよな? と言いたくなる程度には甘くなっておりますので楽しんで頂ければ幸いでございます。

※ パラレル作品となりますので、原作沿い以外は受け付けない!という方はご遠慮ください。
※ 「RTされたらお題をやる系お題5」の続編となります。

では、よろしければ「本編スタート」よりご覧くださいませ。


拍手[75回]


あの不意打ちの見合いから早一か月、郁は指定されたホテルの扉前で一人緊張の面持ちで立っていた。
両脇には両親が居るが、今回、郁は妙に乗り気で母親から押し付けられる服を全て跳ね除けて柴崎を頼っていた。

「ふーん……堂上のボンボンか……。あんたが気に入るなんて珍しいじゃない」
「う……そ、そんなことないけど!」
「まぁ、そういうことにしてあげる。おばさんのセンスが悪いわけじゃないけど、あんたには似合わないしねぇ」
「柴崎ぃ~!」

そう、どこか少女趣味が抜けない母親が好きなのは甘い女の子の雰囲気が多分に含まれた服装である。
最初は不意打ちの見合いの日に持ち前の瞬発力を生かして颯爽と逃げ出した郁に教訓を持ってか動きづらい振袖を勧められたのだが、相手からの見合い場所の指定と共に添えられた希望により何とか逃れた。
そして嬉々としてワンピース、しかも一歩間違えばロリータっぽいソレを着せられそうになった郁は必殺柴崎! と言わんばかりに偶々遊びに来ていた柴崎を盾に逸れも逃げ切ったのだ。
それからの柴崎は滅多にない郁で遊べる機会に母親以上に嬉々として郁を振り回したのは言うまでもない。
その時の会話を思い出してフルフルと頭を振って追い出した郁はごくりと生唾を飲み込む。
初対面は印象こそ悪くないまでも態度も姿も色々とダメな点が多く、黒歴史に分類しても良いと思っている郁。
少しだけ、周囲に居た他の男の子とは違う雰囲気を感じ取って淡い期待を描いてしまったのは仕方がないこと……と、一瞬頭を掠めてそれも違うとさらに頭を振る。

「郁、大丈夫なの?」
「っ……だ、大丈夫!」
「そう、なら入るわよ」

ぶんぶんと頭を振っている娘を訝しんだ母親は、どこか不機嫌な様子で声を掛けてきた。郁がそれにコクリと頷くと扉が静かに開けられて目の前に広がったのは一か月前と同じ広めのテーブルに三人並んで座る堂上家。
その光景を見て反射的に逃げ腰になった郁をその場に縫い止めたのはまっすぐに見つめてくる漆黒だった。

「あ……」

小さく声が漏れた郁に気付かないまま、両親が促して笠原家も席に着く。席が埋まったところでホテルのスタッフが料理を運んでくると見合いが始まった。
見合い中は緊張してしまった郁は只管食べることに専念してしまい、その料理の美味しさに満面の笑みを浮かべているのを微笑ましそうに堂上家に見られて真っ赤になったりもしたが料理が終わる頃には定番の後は若い人で……と言われて両家の両親は部屋を出て行った。
郁は静かになった室内で俯いたままピキリと固まる。

「おい……」
「ひゃっ、ひゃいっ?!」

カタン、という音と共に人が動く気配が感じられて、一層俯いた郁の頭上から低い声が落とされて椅子の上で飛び跳ねながら裏返った声で返事を返す。
一瞬の沈黙の後、響いたのはクツクツという笑いを堪えている音で、それは次第に大きく、本格的な笑いへと変わっていく。
郁は咄嗟に顔を上げると声を掛けた人物――この場合見合いの相手である堂上しか居ないのだが――を見て、お腹を抱えて笑っている姿に真っ赤になると羞恥に涙目になりながら睨みつける。
それでもしばらくは笑いが治まるのを待っていたのだが、いつまでも終わる気配がない様子にいい加減痺れを切らした郁が先ほどまでの緊張をどこかへ投げ捨てて勢いよく立ち上がる。

「もう! そんなに笑わなくても良いじゃないっ!」
「わ……悪いっ……はは、一か月ぶりに会ったら緊張してるなとは思ったんだが」
「だ、だって!」

郁の文句に、さすがに悪いと思ったのか必死に深い呼吸をして笑いを止める努力をしながら、目に溜まった涙を拭い謝罪を口にする。
まだ笑いで声が震えてるのはご愛嬌、とばかりに堂上にしては珍しい満面の笑みで郁を見ていて堂上を良く知る人物がそれを見ていれば目を丸くする風景があった。
もちろん、郁はそんなことを知らないのでぷぅっと頬を大きく膨らませて子供の様に拗ねた表情でそっぽ向いて何やら言い訳を紡いでいる。
曰く、慣れない格好をしているから不安だっただの、あんな失礼なことをしたのに本当に会って貰えるのか自信がなかっただの、堂上からしてみれば可愛らしいと思える理由ばかりを並べたてた。
堂上はそんな郁に漸く完全に笑いを治めると、目を細めて柔らかく微笑みすっと手を伸ばす。
初めて会ったあの日も、陰に隠れて沈んでいた郁を落ち着けるためにした行動。

――ぽんぽん、ぽんぽん

二度、三度と繰り返される手の動きにそっぽ向いていた郁の視線が堂上に戻ってくる。
チラリ、チラリとどこか不安そうに堂上を見る郁は小動物の様で可愛らしく、堂上よりも少しだけ高い背も気にならない程の華奢な印象を与えていた。
動きやすい恰好を、とこちらから指定してあったからか巻きスカート風のキュロットスカートと少し甘めの落ち着いた雰囲気のブラウスに厚手のカーディガン。
防寒は春先でも温かい陽気に恵まれたからか厚手のストールだけのようだった。

「寒くないか?」
「あ、クロークにジャケットも預けてあるから大丈夫」
「そうか、なら、そろそろ移動するか」
「移動?」
「ああ、とりあえずここを出るぞ」

お互いに一通り落ち着いた所で、撫でる手にまだほんのりと頬を染めたままの郁の器用な上目遣いを受けて堂上が若干視線を逸らしながら口を開く。
とりあえず、今からの目的地を思い浮かべたらしい堂上からの確認にきょとんとした表情をしながらも素直に返事を返す郁。
手を差し出されて少しだけ迷ったそぶりを見せると、堂上の手と顔を何度か交互に見てから郁はそっと自分の手を乗せた。
そっと手を取られて見合いに使用した部屋を出るのは郁にとってはかなりハードルが高く恥ずかしかったが、嫌かと問われれば嫌ではないと即答できるくらいには心地よくて握られた手を自分から握り返してみる。
チラリと振り返った堂上の視線が笑っていて、ほっとしたように郁もはにかんだ笑みを見せた。
ホテルマンには目の毒だったり微笑ましかったりと視線をそれとなく送られながら二人でクロークに移動すると荷物を受け取る。
良く見れば、堂上の服装はフォーマルというよりはカジュアル寄りで、あの場の雰囲気で気付かなかったが動きやすい服装だった。
郁はジャケットを羽織ってストールを頸に巻き、鞄を持つと再び手を取られてホテルの外へ出る。
今日、堂上家から指定されたホテルはレジャー施設に併設しているのが売りの有名ホテルだった。
そのもてなしのランクも上客を迎えても遜色しないサービス具合で、郁は凄いなぁ……と内心感心しているばかりでなぜこのホテルだったのかという理由は考えもしなかった。
しかし、連れられて堂上が向かう先が併設されたレジャー施設であることに気付くと、ほぇ?! と不思議な声をあげて足を止める。

「えっ?! えぇっ?!」
「なんだ、どうした」
「え、いや、だって。向かってる先って……」
「ああ、遊園地というか、アスレチック施設というか、って場所だな」
「なんで?」

後について歩いていたのがいつの間にか二人並んで歩いている。しかも、車が通る側を堂上がさりげなく歩いていたことに気付いて郁は女の子扱いに頬を染め、戸惑いながら堂上を見る。
堂上の方は向かっている場所を答えたら、その理由を聞かれて首を傾げた。
理由が要るのだろうか? とでも思っていそうな表情で少しだけ眉間に皺を寄せて真剣に考えている表情に郁はさらに戸惑う。

「なんでって言われてもなぁ……。郁が好きそうだったから」
「え?」
「前に会った時、元気なイメージだったんだよ。ダチにお前のこと聞いたら陸上で有名だって言ってたし、こういうの好きそうだと思ったんだが……」

嫌だったか? そんな風に問いかけられて真っ直ぐに向けられた漆黒が僅かばかり不安に揺れたのを見れば、郁は反射の様に首を横に振っていた。
それから、少しだけ考えるようにゆっくりと言葉を選んでなんで? と聞いた理由を口にする。

「初対面がアレだったし、私、今までこんな風に女の子扱いとかされたことないから。遊園地とか、アスレチックは好きだけど男友達みたいな風にしか扱われなくて……。しかも、母さんから今日は失敗するなって散々言われてたし、お見合いだし」
「なんだ、それ」
「お見合いって、顔合わせて、料理食べて、若い人たちでっていうのもホテルの庭とか歩いて、趣味とかそういうの聞かれたりとかするのかな、とか」
「ドラマ見すぎ」
「えー、でも、一般的なお見合いのイメージってそんなもんじゃん」

少しばかり戸惑っている本当の理由を誤魔化しながら、思いつく限りを羅列した結果、郁は堂上に簡潔に突っ込まれて頬を膨らませる。
器用な上目遣いで、じゃあ堂上のイメージはどんななんだ、と問えばぐっと詰まった声が聞こえてお見合いに対してのイメージは変わらないことに確証を得てほらみろー! と叫ぶ。
堂上はそれを誤魔化す様にまた郁の手を引いて歩き出しながらこちらも色々と考えつつの言葉を告げてくる。

「俺らはまだ高校生だし、見合いって窮屈だろうが……。小牧に聞いたら遊園地とかでも良いとか言われたから、俺から希望出したんだよ」
「こまき……?」
「お前の事教えてくれた俺のダチ」
「ふーん……。でも、なんか女の子扱い慣れてるよ?」
「それは、お前よりずっと我儘で扱いづらい妹が要るからだろ」
「そうなんだ」

歩き出した堂上に付いて動き出しながら、自然と会話が成り立つのが居心地良く気取る必要も猫を被る必要もないのだと安堵してまた気付けば隣に並んでいた。
二人、どちらもお互いに好印象なのは周囲を歩く人間たちにはバレバレで、きっと可愛らしいカップルだと思われているに違いないのだが本人たちは気付かない。
ただ、ホテルの会食の時にお互いの姿に一目惚れしたのだが、惚れたということに郁が気付くのはもっとずっと先になってから。
一先ずはお友達から、ということで度々デートに出かけるようになり、周囲の友人たちからお前たち早く引っ付けよ! と思われて色々と遊ばれ、賭けの対象になるのはまた別のお話。
もちろん、郁の親友である柴崎と、堂上の親友である小牧がいつの間にか繋がって見守ろうの会を結成していたのを知るのもずっとずっと先の話である……。
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by ゆうこ 2015/03/05(Thu)07:32:53 編集
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